2005 Fiscal Year Annual Research Report
6番染色体長腕に位置する新たなリンパ腫関連遺伝子TFLの機能解析
Project/Area Number |
17590997
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Research Institution | Kobe University |
Principal Investigator |
山本 克也 神戸大学, 大学院・医学系研究科, 非常勤講師 (60306199)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
松井 利充 神戸大学, 大学院・医学系研究科, 助教授 (10219371)
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Keywords | TFL遺伝子 / 染色体転座 / 悪性リンパ腫 / 遺伝子導入 / ノックダウン / ES細胞 |
Research Abstract |
1.TFL遺伝子の発現解析 マウスの正常組織では脾臓で最も強いTFL遺伝子の発現が認められた。しかし脾臓のT細胞、B細胞では、両者の間に発現の差はほとんどみられなかった。ヒトの末梢血リンパ球についても、B細胞、T細胞それぞれに同程度にTFL遺伝子は発現していたが、CD34陽性細胞では発現は弱かった。悪性リンパ腫の臨床検体においては、T細胞性、B細胞性いずれでも発現を認めた。しかし症例により高発現から低発現まで大きな差が見られ、TFL遺伝子が特定のリンパ腫の発症や病態の変化に関与している可能性が示唆された。 2.TFL蛋白の発現解析 ペプチドを抗原としたポリクローナル抗体を作成し、ウエスタンブロット法でTFL蛋白を認識することを確認した。その後TFL遺伝子は数種の遺伝子とfamilyを形成していることが判明したため、より特異的な配列を用いて新たな抗体を作成中である。 3.血液細胞株へのTFL遺伝子導入またはノックダウンによる機能解析 BaF3細胞にTFL遺伝子を組み込んだGFP発現ベクターを導入した。TFLを一過性に過剰発現させることにより、BaF3細胞の増殖は抑制された。またこのベクターをNIH3T3細胞に導入し二重蛍光染色でTFL蛋白の細胞内局在を解析したところ、主に核内に存在することが明らかとなった。次にTFL遺伝子をsiRNAを用いてノックダウンするために、BaF3の代わりに最も発現の強い脾細胞を用いた。ノックダウンの効率は定量RT-PCRにて確認中である。 4.TFL欠失ES細胞株の樹立 マウスTFL遺伝子の翻訳開始コドンがあるエキソン2を含む領域を、ネオマイシン薬剤耐性遺伝子に置き換えたターゲッテイングベクターを作成した。これをES細胞に導入し、TFL遺伝子の欠失の有無をサザンブロットでスクリーニングして相同組み換えES細胞を樹立した。
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Research Products
(6 results)