2005 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
17591004
|
Research Institution | Nagoya City University |
Principal Investigator |
小松 弘和 名古屋市立大学, 大学院・医学研究科, 助手 (60336675)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
上田 龍三 名古屋市立大学, 大学院・医学研究科, 教授 (20142169)
飯田 真介 名古屋市立大学, 大学院・医学研究科, 講師 (50295614)
|
Keywords | 家族性血小板血症 / c-mp1 / 活性型変異 / 二量体形成 / 極性 / stat5 / mek1 / 2 |
Research Abstract |
我が国でも数家系しか報告のない貴重な家族性血小板血症を見出し、その病因を分子生物学的に明らかにすべく、血小板産生に関わる既知の分子の変異の有無をスクリーニングした結果、血小板増多因子トロンボポエチン(TPO)のレセプターであるc-mpl遺伝子内膜貫通ドメインにアミノ酸置換を伴うSer505Asn変異を見出した。本活性化変異候補Asn505が機能的に直接にFET患者の血小板増多を惹起しているかどうかを明らかにするために、本変異アレルを含むc-mpl cDNAをBAF/3細胞へ発現導入し、本来もつBAF/3細胞のサイトカイン(IL3)依存性増殖が非依存性となること、細胞内シグナルであるERK1/2とSTAT5がサイトカイン(IL3)非依存性に燐酸化されていることを見出し、本変異Asn505は細胞内シグナル活性化をひきおこし細胞の自律性増殖を惹起していることを示し、本FET発症の責任遺伝子異常である事を証明した。 次にAsn505変異の機能解明として、c-mp1レセプターの自律性の多量体(二量体)形成能の実験を進め、cross linking法を用いて検討した結果、変異体ではligand非存在下でも多量体(二量体)形成し、細胞増殖、そして細胞内シグナル活性化を誘導していることを明らかにした。また、変異部位を様々な塩基に置換した変異体を作成し、二量体形成能、細胞内シグナル活性化について検討したところ、Asnを含めて極性の強いアミノ酸残基を有する変異体において二量体形成とシグナル活性化が確認できた。以上より、Asn505は、アミノ酸残基として有するその強い極性に伴う水素結合力により二量体を形成し、細胞内シグナルを活性化し、巨核球増生、そして血小板増多症を成立させていることを示すことができた。
|
Research Products
(5 results)