2005 Fiscal Year Annual Research Report
脂肪細胞に対する遺伝子導入法の最適化と血友病遺伝子治療などへの応用
Project/Area Number |
17591007
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Research Institution | Jichi Medical University |
Principal Investigator |
水上 浩明 自治医科大学, 医学部, 講師 (20311938)
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Keywords | 脂肪細胞 / AAVベクター / 血清型 / 添加剤 / エリスロポエチン / 凝固第IX因子 / 遺伝子導入 / 摘出手術 |
Research Abstract |
各血清型のAAVに由来し、マーカー並びにエリスロポエチン、凝固第IX因子などを搭載するベクターを作製した。また、これらのベクターを用いて、主にdb/dbマウスの脂肪組織を標的として有効性を検討した。各血清型のAAVベクターの比較検討では、1型を用いた場合に界面活性剤を添加することでLacZ及びエリスロポエチンの発現増強が顕著に認められたが、その他の血清型を用いた場合には増強効果は弱いか殆ど認められなかった。ヒト型凝固第IX因子遺伝子を搭載したベクターを用いて同じ条件で検討したところ、1型を用いても、血中濃度は検出可能ではあったが正常の0.1%以下であり、治療域には達しなかった。このため更に新規の血清型を用いて検討を行ったところ、8型を用いた場合により高い(正常の10%前後の)血中濃度が得られた。しかしながら遺伝子導入を行った脂肪組織を手術によって摘出したところ、脂肪組織よりも肝臓において凝固第IX因子が産生されていることが明らかとなった。このことは8型のキャプシドが肝臓に対して強い親和性を有していることに由来するものと考えられた。なお、この現象は、脂肪のみならず骨格筋に対して8型由来のベクター溶液を注入した場合にも認められる現象であり、他には9型のベクターを注入した場合にも認められることが判明した。また、以上のいずれの場合にもヒト型の凝固第IX因子に対する抗体の生成は見られなかった。このようなことから脂肪組織で凝固第IX因子を発現させ、血中に分泌させるためのより良い方策につき現在検討を行っている。
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Research Products
(6 results)