2005 Fiscal Year Annual Research Report
組織幹細胞に特異的に発現する接着分子JAM-4Sの機能解析
Project/Area Number |
17591009
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Research Institution | Keio University |
Principal Investigator |
大保 和之 慶應義塾大学, 医学部, 講師 (70250751)
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Keywords | 発生分化 / 細胞・組織 / 再生医学 / シグナル伝達 |
Research Abstract |
JAMファミリーは、CD2,JAM-A,JAM-B,JAM-Cからなる分子群と、JAM-4(JAM-4S)、CAR,ESAMからなる分子群の、2つから構成されている。JAM-4が属する分子群は、約100-120個の、比較的長い細胞内ドメインと、タイプ1型のPDZドメイン結合蛋白付着配列を持つ。我々は、精巣幹細胞由来cDNAライブラリーより、精巣幹細胞、造血幹細胞に共通して発現する分子として免疫グロブリンドメインを一個のみ持つJAM-4Sを単離した。これ以外の組織ではES細胞、肝臓、腎臓で発現が認められる。精巣においてJAM-4に対する特異的抗体を用いて免疫染色を行ったところ、Tight junction蛋白であるZO-1と一致した局在を示した。このことから、本分子は少なくとも精巣においては、セルトリ細胞との精巣血液関門の構築に関与していることが示唆された。そこで本分子の生物学的機能をin vivoで解析する目的で、ノックアウトマウスの作出を行った。現在、C57BL/6バックグラウンドへの戻し交配を行っている。一回の戻し交配によって得られたヘテロマウスのintercrossにより得られた遺伝子欠損マウスは、現在のところ精巣における大きな形態学的変化は3ヶ月齢まででの観察では認められず、また遺伝子欠損マウスの雄と野生型マウスの交配により子孫を得ることも可能であった。造血幹細胞の頻度も変化が認められない。精巣のTight junction蛋白の一つであるOccludin欠損マウスの場合、形質発現が60週と遅かったことから、本遺伝子欠損マウスの形質発現が晩発性に起こることも考え、現在長期にわたり本分子の精巣、造血系における影響を追跡している。また、本遺伝子が発現している、消化管上皮、腎臓における変化について検索を行っている。
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[Journal Article] Loss of Tie2 receptor compromises embryonic stem cell-derived endothelial but not hematopoietic cell survival.2006
Author(s)
Hamaguchi I, Morisada T, Azuma M, Murakami K, Kuramitsu M, Mizukami T, Ohbo K, Yamaguchi K, Oike Y, Dumont DJ, Suda T
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Journal Title
Blood 107
Pages: 1207-1213
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