2006 Fiscal Year Annual Research Report
組織幹細胞に特異的に発現する接着分子JAM-4Sの機能解析
Project/Area Number |
17591009
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Research Institution | Yokohama City University |
Principal Investigator |
大保 和之 横浜市立大学, 医学部, 準教授 (70250751)
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Keywords | 細胞・組織 / 再生医学 / 発生分化 / 生体分子 |
Research Abstract |
本研究において、組織幹細胞が共通した特性も持つ事から、これに関連する組織幹細胞普遍的分子、そのなかでも、細胞表面蛋白に焦点をあて、その同定と機能の検討を行なった。雄生殖幹細胞と造血幹細胞に共通して発現する分子として接着分子であるJAM-4を同定した。我々が幹細胞で同定したものは、通常、腎臓、肺などで発現が報告されている2つの免疫グロブリンドメインを持つJAM-4と異なり、同ドメインが一つしか含まれていない短い分子であった。そこで、この短いJAM-4分子(以下JAM-4S)の発現と機能の解析を行なった。JAM-4Sは、精巣においては特に新生児期に中心に発現しており、精粗細胞、精原細胞に発現していた。造血系では骨髄中の未分化性が高い幹細胞、前駆細胞分画に発現していた。そこで、これらの生物学的機能を検索するために、ノックアウトマウスを作製した。JAM-4ノックアウトマウスは、JAM-4Sのみを遺伝子欠損する事は困難であったため、完全なnullマウスを作製した。このマウスは、現在のところ第4世代まで交配を進めているが、第2世代のところでintercrossして作成したJAM-4 nul1マウスは、現在のところ1年以上生存し、精巣の組織学的検索、造血細胞の細胞表面抗原をもちいた細胞分画の存在比などを検索しても残念ながら異常は検出されていない。そこでJAM familyで精巣に発現している分子や造血幹細胞で発現している分子を検索すると、JAM-A, JAM-Bが発現していることが判った。そこで現在、JAM-Bノックアウトマウスとのダブルノヅクアウトマウスを作製しており、今後その幹細胞における表現系を解析する予定である。
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