2005 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
17591011
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Research Institution | Juntendo University |
Principal Investigator |
HEISSIG Beate 順天堂大学, 大学院・医学研究科, 講師 (30372931)
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Keywords | プラスミノーゲンアクチベータ / プラスミン / プラスミノーゲンアクチベータ受容体 / マトリックスメタロプロテイナーゼ / 顆粒球コロニー刺激因子 / 血管新生因子 / 放射線 / 抗癌剤 |
Research Abstract |
代表的な線溶系因子ウロキナーゼ型あるいは組織型プラスミノーゲンアクチベータ(uPA、tPA)とその受容体(uPAR、LRP)によって構成されているプラスミノーゲン(Plg)活性化機構は、近年各種細胞動員や定着に関連性が強いことで注目を集めている。今年度研究代表者らは、患者検体を使用して顆粒球コロニー刺激因子(G-CSF)によって動員される末梢血中の単核球成分と血漿中の可溶型uPARレベルとの関係を解析し、骨髄細胞の成熟分化機構におけるuPA/uPARシグナルの活性化の重要性を示唆した。さらにG-CSFをはじめとするサイトカイン、ケモカインの全身投与あるいは一定量の抗癌剤の投与、放射線照射または著しい血管内皮傷害等の生理学的ストレスによって、骨髄中のマトリックスメタロプロテイナーゼ群(MMPs)が活性化され、主として骨髄ストローマよりKit-ligand等のサイトカイン産生が促進されること、またこれに応じて骨髄Niche中に存在すると考えられる組織幹細胞の分化及びその増殖が誘導され、末梢血中に骨髄由来の各種組織前駆細胞を含む未熟な細胞が動員されること、特にMMP-9遺伝子欠損マウスにおいては、こうしたストレスに伴う骨髄中の各種生体組織前駆細胞の分化及び増殖が著しく抑制され、骨髄自体の組織再生が障害されていること等がマウスの実験によって明らかとなった。またこれらの実験を通じて好中球やマスト細胞等の骨髄由来の炎症性細胞が末梢組織において血管新生因子等の組織再生促進因子の担体として機能していることも示唆された。研究代表者らは現在プラスミノーゲン(Plg)の活性化によって生成するプラスミンがプロ酵素からMMPの活性型への変換を促進することに注目し、Plg遺伝子欠損マウスを使用して線溶系因子活性化の骨髄造血制御機構における機能解析とその臨床応用に関する基礎実験を施工中である。
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Research Products
(8 results)