2006 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
17591019
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Research Institution | Health Sciences University of Hokkaido |
Principal Investigator |
及川 恒之 北海道医療大学, 心理科学部, 教授 (80150241)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
太田 亨 北海道医療大学, 個体差健康科学研究所, 准教授 (10223835)
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Keywords | 転写因子 / Ets-1 / PU.1 / Gfi-1B / 骨髄球 / 赤血球 / 増殖 / 分化 |
Research Abstract |
ETS転写因子は様々なタンパク質と結合し、相互作用することが知られている。われわれは平成17年度、Ets-1転写因子はGfi-1転写因子と結合してBaxプロモーター活性を抑制し、Tリンパ球の生存に協調的に働くことを報告した(Oncogene 2007)。平成18年度はPU.1転写因子と、Gfi-1と相同性を示すGfi-1B転写因子との結合に関して検討を加えた。ルシフェラーゼアッセイにおいて、PU.1とGfi-1Bはそれぞれの転写活性に対し拮抗的に働くことが明らかとなった。PU.1は骨髄球分化のマスターレギュレーターとして働くことが知られている。そこで、マクロファージ系へと分化する骨髄前駆細胞である503細胞に、PU.1遺伝子を導入するとMac-1陽性のマクロファージ系細胞が増加したが、そこにGfi-1B遺伝子を同時に導入するとMac-1の陽性率が半分に低下した。従って、Gfi-1Bはin vivoでもPU.1の転写活性を抑制し、骨髄球分化を抑制すると考えられた。一方、Gfi-1BはGATA-1とともに赤血球・巨核球の増殖分化のマスターレギュレーターである。そこで、ヒト臍帯血細胞にGfi-1B遺伝子を導入すると赤血球コロニーの増殖促進が見られたが、そこにPU.1遺伝子を同時に導入すると細胞増殖と赤血球コロニー形成は著しく抑制された。臍帯血へのPU.1遺伝子の単独導入では、赤血球コロニーの出現は少なく、殆どの細胞が樹状細胞に形質転換した。また、GATA-1とは結合しないがGfi-1Bとは結合するPU.1の変異体を作成し、そのin vivoでの効果を確かめたところ、同変異体でも同様の赤血球コロニー形成が抑制されることが分かった。従って、PU.1はGfi-1Bの転写活性を抑制することで、赤血球コロニーの増殖・分化を抑制すると考えられた。この結果は、現在、英文論文として投稿中である。
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Research Products
(3 results)