2005 Fiscal Year Annual Research Report
関節リウマチ・強皮症におけるβ1インテグリン関連分子の病態生理的意義の研究
Project/Area Number |
17591031
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
岩田 哲史 東京大学, 医科学研究所, 産学官連携研究員 (00396871)
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Keywords | Cas-L / TGF-β / integrin / rheumatoid arthritis / Smad / IKK / raft / PSS |
Research Abstract |
TCR/β1インテグリン共刺激によるT細胞活性化・遊走能の上昇には、細胞内ドッキング蛋白質Cas-Lが必須である。また、インテグリンと会合する4回膜貫通分子テトラスパニンも、細胞増殖・遊走に対して重要な役割を担っている。本研究は、関節リウマチ・強皮症におけるインテグリンとその関連分子の重要性について、以下の点を明らかにした。 1)Cas-Lとアダプター蛋白Nckがチロシンリン酸化依存性に結合する事、これらの蛋白がシグナル伝達等種々の細胞機能に重要なlipid raftへ移行する事を見出した。また、Cas-Lのraft移行ドメインがC末にある事を欠損変異体の解析により明らかにした。 2)Cas-LがIL-1,TNF-α等の炎症性サイトカインによるシグナル伝達に重要なNF-κB系の鍵となる分子であるIκB kinaseと結合する事を見いだした。さらに、骨破壊に関与する破骨細胞への分化誘導サイトカインであるRANKLによるCas-L homologueであるp130Casの発現上昇を見いだした。 3)強皮症において異常が報告されているTGF-βシグナル系伝達の阻害因子であるSmad6,7とCas-L、Smurf1,2とCas-Lとの結合を見出した。今後TGF-β/Smadシグナル系とCas-Lの相互作用とその病態生理的意義の解析を行う予定である。 4)自己免疫疾患の治療応用目的に、CD9,CD82 extracellular loop/IgG-Fc融合蛋白の作成と、Cas-L siRNAの同定、dominant negative Cas-L発現ベクターの構築を行い、現在その生物活性を検討中である。 これらの成果は、インテグリン由来シグナル伝達機構及び、炎症部位でのメモリーT細胞の活性化と遊走機構の解明、関節リウマチにおける炎症と骨破壊、強皮症における線維化の機序の解明とその治療法開発につながるものである。
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Research Products
(3 results)
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[Journal Article] Nedd9 protein, a Cas-L homologue, is upregulated after transient global ischemia in rats : possible involvement of Nedd9 in the differentiation of neurons after ischemia.2005
Author(s)
Sasaki T, Iwata S, Okano HJ, Urasaki Y, Hamada J, Tanaka H, Dang NH, Okano H, Morimoto C.
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Journal Title
Stroke 36(11)
Pages: 2457-2462
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[Journal Article] HTLV-I Tax induces and associates with Crk-associated substrate lymphocyte type (Cas-L).2005
Author(s)
Iwata S, Souta-Kuribara A, Yamakawa A, Sasaki T, Shimizu T, Hosono O, Kawasaki H, Tanaka H, Dang NH, Watanabe T, Arima N, Morimoto C.
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Journal Title
Oncogene 24(7)
Pages: 1262-1271