2006 Fiscal Year Annual Research Report
制御性T細胞特異的転写因子Foxp3の恒常的発現機構の解明による自己免疫疾患治療
Project/Area Number |
17591032
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
三崎 義堅 東京大学, 医学部附属病院, 講師 (60219615)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
川畑 仁人 東京大学, 医学部附属病院, 助手 (70334406)
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Keywords | 制御性T細胞 / 酵母2ハイブリッド / レトロウイルスベクター / 転写因子 / 自己免疫疾患 |
Research Abstract |
CD4陽性ヘルパーT細胞のサブセットの一つであるCD4(+)CD25(+)制御性T細胞(以下Treg)は、免疫応答を負に制御し、免疫系のホメオスタシス維持の上で重要な役割を担っていると考えられている。マウスにおいて、その減少で関節炎、腸炎、胃炎、甲状腺炎などの自己免疫疾患が誘導され、逆にこの細胞群の移入によりこれらの病態が治療可能であることが示されており、このTregを新だに誘導し、その細胞数、機能を制御することができれば、生体内のホメオスタシス回復という新しい形の治療が可能になると考えられる。Treg特異的な転写因子としてFoxp3が同定されているが、そのTreg機能や分化に関する機構は明かではない。我々は、このFoxp3分子の作用及び調節機構を解析するため、その会合分子をyeast twp hybridを用いて探索し、SOCS1及びSOCS3をそのパートナーとして同定した。この研究では、この会合と実際のTregにおけるFOXP3との関係を検討した。実際のTregにおいても、Foxp3とSOCS3の会合が確認できた。そこで、SOCS1或いはSOCS3をshRNAでtargetingし、Foxp3導入による誘導型Tregにおける抑制活性の変化を検討したが、targetingによって機能には大きな影響が認められなかった。FOXP3発現を安定化させるのではないかという仮説で出発したが、SOCS3とFOXP3の会合がT細胞レセプター刺激で減少することも見いだしており(preliminary data)、SOCS1欠損マウスではTregの出現が抑制されていると報告や、またSOCSファミリーには蛋白分解活性もあるという事実を考え合わせると、SOCS分子はTreg分化過程において、会合と解離をしながら、FOXP3の蛋白量を調節している可能性を現在考えている。
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