2006 Fiscal Year Annual Research Report
ループス自己抗原反応性T細胞レセプターの遺伝子ワクチネーションによる病態の制御
Project/Area Number |
17591039
|
Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
藤井 隆夫 京都大学, 医学研究科, 講師 (70255462)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
三森 経世 京都大学, 医学研究科, 教授 (10157589)
|
Keywords | ループス / ワクチネーション / イディオタイプ抗体 / 抗核抗体 / 抗U1RNP抗体 |
Research Abstract |
全身性エリテマトーデス(SLE)における特異的な免疫抑制療法の開発のため、申請者はループス自己抗原反応性T細胞を用いたワクチネーションを行ってきた。その結果、ループス自己抗原(ヌクレオソーム)反応性CD4+Th1細胞を用いたワクチネーションがSLEのモデルマウス(MRL/1prマウス)の治療として有効で、その機序としてT細胞レセプター(TCR)のVβ-CDR3に対する抑制抗体と自己反応性T細胞傷害性CD8およびCD4陽性T細胞が誘導されることを報告してきた。昨年度は、ループスのモデルマウスであるMRL/1prマウス脾細胞から自己反応性T細胞(ART-S)を新たにライン化し、それをMRL/1prマウスに繰り返し移入することにより同T細胞ラインに対する抗イディオタイプ抗体を誘導した。さらにそのマウス脾細胞を用いてB細胞ハイブリドーマを作成した。フローサイトメトリーによるスクリーニングにより、ART-Sの表面抗原を特異的に認識するIgGを産生するハイブリドーマが8種類えられた。また同様に抗核抗体を産生するハイブリドーマが4種類得られた。間接免疫蛍光法ではヒトSLEで認められる染色パターンと全く同じであり、本来の目的とは異なるが、今後抗核抗体の病因的意義を追求するために貴重なハイブリドーマであると考えられる。本年度はそのハイブリドーマ特異性を検討したところ、少なくとも3種類のハイブリドーマに分けられた。1)#1、11,121はいずれもRNA-IPP(免疫沈降法)でU1RNAを、蛋白-IPPで抗U1RNP抗体と同様のパターンを示したが、ELISAでは陰性であった。2)#104はRNA-IPPでU1RNAを沈降し、ELISAにて抗U1RNP抗体/抗U1-C抗体が陽性であった。また3)#64はRNA-IPP、蛋白-IPPでは陰性であったが、ELISAにて抗U1RNP抗体/抗U1-70K抗体が陽性であった。免疫プロット法(IB)では、#64は70kDa蛋白よりも45kDa蛋白に強く反応し、apoptotic U1-70Kに対する抗体である可能性が示唆された。今後これらのB細胞ハイブリドーマから分泌されるIgGを限界希釈法により単離精製した上でIgGサブクラスを確認し、in vitroおよびin vivoにおいて病原性を調べるため、免疫複合体の作成を行う予定である。
|
Research Products
(3 results)