2006 Fiscal Year Annual Research Report
ケモカインとそのレセプターによる移植片対宿主病の臓器傷害の制御に関する研究
Project/Area Number |
17591045
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Research Institution | Ehime University |
Principal Investigator |
長谷川 均 愛媛大学, 大学院医学系研究科, 助教授 (40164826)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
能勢 眞人 愛媛大学, 大学院医学系研究科, 教授 (70030913)
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Keywords | ケモカイン / 移植片対宿主病 / 抑制性T細胞 |
Research Abstract |
移植片対宿主病(GVHD)の発症機序は、二次リンパ組織内で、ホスト抗原提示細胞により活性化されたドナーT細胞が、標的臓器へ浸潤することによって引きおこされると考えられており、この過程が増幅されることにより、組織傷害が高度になる。この過程にはケモカインの関与が予想され、ケモカインが急性GVHDの臓器傷害の治療標的になりうるかどうかを検討するのが本研究の目的である。 動物モデルとして、MHC抗原不適合急性GVHDモデルマウス、即ち、ドナーにはC57BL/6、ホストには放射線照射したB6D2F1を用いた。平成17年度に、標的臓器(肝、腸管)の急性GVHDによるケモカインの発現変化を経時的に検討した結果、両臓器において、GVHD初期より、それぞれ数種類のケモカインの発現増強が認められ、これらの中で共通にはTh1ケモカイン(Mig/CXCL9,IP-10/CXCL10)の発現増強があった。このため、肝と腸管の標的臓器の候補ケモカインとして、Th1ケモカインとそのレセプターであるCXCR3に焦点をしぼった。平成18年度は、CXCR3を強制発現させたCD4+CD25+抑制T細胞(Treg)を作成し、移入することで、GVHDが軽減するかどうかを検討した。その結果、CXCR3-Treg細胞移入群は、Treg細胞移入群に比較して、臨床的にも有意にGVHD変化は軽減し、病理組織学的にも標的臓器のGVHD変化は著明に軽減した。このことは、多くのCXCR3-Treg細胞がTh1ケモカイン発現標的臓器に集積したためであった。
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Research Products
(5 results)