2005 Fiscal Year Annual Research Report
病因特異的治療を目標とする関節リウマチ滑膜内の抗原特異的B細胞ネットワークの解明
Project/Area Number |
17591046
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
塩川 左斗志 九州大学, 大学病院, 講師 (20215940)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
本村 誠一 九州大学, 生体防御医学研究所, 助手 (40304828)
生山 祥一郎 九州大学, 生体防御医学研究所, 助教授 (20184393)
西村 純二 九州大学, 生体防御医学研究所, 教授 (20112336)
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Keywords | 関節リウマチ / B細胞 / 滑膜 / 抗原 / リウマトイド因子 / 胚中心 / 突然変異 / クラススイッチ |
Research Abstract |
関節リウマチ(RA)滑膜内胚中心様構造(GCLS)は二次リンパ組織の胚中心と同様、局所での抗原特異的反応の発生、維持に重要な役割を果たしている可能性がある。平成17年度はRA滑膜内GCLS内のB細胞の免疫グロブリンH鎖可変領域(VH)の塩基配列を解析し、そのクローナリティー、クラスイッチの有無について解析を行った。 方法としてはB細胞マーカーであるCD20、濾胞樹状細胞マーカーであるCD21陽性のGCLS内から約300個のCD20陽性細胞集団を切り出した後、cDNAにし、VHプライマーと各クラス定常領域プライマーでPCR後、塩基配列を解析した。1名の患者については近接したGCLS3個とそれらから離れた領域のGCLS2個を、他の患者については近接したGCLS3個について解析を行った。 GCLS内B細胞はoligoclonalに増殖しており、その一部のものにはclonal diversificationもみられたexpansionがみられたクローンの50%はVH4 familyに属していた。各GCLS間に共通に存在するクローンはきわめて稀であり、クラススイッチはみられなかった。 以上のことからGCLS内ではB細胞が何らかの抗原を認識し、抗原特異的な分化増殖を行っている可能性がある。またRA滑膜内の抗原抗体反応は必ずしも単一の抗原によるものではなく、複数の抗原の関与する多様なものであると考えられるが、B細胞側としてはVH4陽性のものが抗原認識において特に重要な役割を果たしていると考えられた。
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Research Products
(3 results)