2006 Fiscal Year Annual Research Report
病因特異的治療を目標とする関節リウマチ滑膜内の抗原特異的B細胞ネットワークの解明
Project/Area Number |
17591046
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Research Institution | KYUSHU UNIVERCITY |
Principal Investigator |
塩川 左斗志 九州大学, 大学病院, 講師 (20215940)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
本村 誠一 九州大学, 生体防御医学研究所, 助手 (40304828)
生山 祥一郎 九州大学, 生体防御医学研究所, 助教授 (20184393)
西村 純二 九州大学, 生体防御医学研究所, 教授 (20112336)
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Keywords | 関節リウマチ / B細胞 / 滑膜 / 抗原 / リウマトイド因子 / 胚中心 / 突然変異 / クラススイッチ |
Research Abstract |
関節リウマチ(RA)滑膜内胚中心様構造(GCLS)は二次リンパ組織の胚中心と同様、局所での抗原特異的反応の発生、維持に重要な役割を果たしている可能性がある。 平成17年度研究では、GCLS内B細胞はoligoclonalに増殖していること、その一部にはintraclonal diversityがみられること、VH4 familyが他のfamilyに比較しドミナントであることを明らかにした。 平成18年度は、clonal expansionとintraclonal diversityについてより詳細に解析するためにRA患者の人工膝関節手術標本より、2cm以上離れた部位にある滑膜を2個或いは3個ずつ切除。RNAを抽出、cDNAに変換後、VH4コンセンサスプライマーと、IgDのH鎖の定常領域Cδ内のプライマーでPCR後、その塩基配列を解析した。VH4 familyを解析対象とした理由は、VH4がそのfamily sizeに比し滑膜内でドミナントに発現していることによる。Cδ転写産物を選択した理由は、IgG、IgM、IgA免疫グロブリンを大量に産生する滑膜内形質細胞のクローナリティー解析への影響を最小限にするためである。RA患者滑膜内ではIgD+B細胞の著明なoligoclonal expansionとintraclonal diversityがみられた。またRA滑膜内でexpandしているcloneのVH可変領域のmutation frequencyは通常のmemory B細胞より高いものが多かった。mutationを有するIgD+B細胞はIgM+IgD+CD27+陽性B細胞と考えられるので、RA滑膜内でIgM+IgD+CD27+B細胞は体細胞突然変異を生じながら分化増殖し、関節局所での自己抗体産生に重要な役割を果たしている可能性がある。
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Research Products
(1 results)