2006 Fiscal Year Annual Research Report
シュードウイルスシステムを用いた重症呼吸器感染症の病理解析
Project/Area Number |
17591053
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
中屋 隆明 大阪大学, 微生物病研究所, 特任助教授 (80271633)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
萩原 克郎 酪農学園大学, 獣医学部, 助教授 (50295896)
志馬 伸朗 京都府立医科大学, 医学研究科, 助手 (00260795)
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Keywords | インフルエンザウイルス / ニューカッスル病ウイルス / 重症急性呼吸器症候群 / リバースジェネティックス / シュードウイルス / RNAレプリコン |
Research Abstract |
重症急性呼吸器症候群(SARS)の原因ウイルスであるSARSコロナウイルス(SARS-CoV)および高病原性トリインフルエンザウイルス(H5N1-Flu)は人類にとって最大の脅威である呼吸器感染症である。これらウイルスの遺伝子操作系は現在、世界でも限られた研究室でしか成功、実施されていないのが現状である。そこで本研究ではこれらのウイルスの病原性を解析し、有効な診断・治療法を開発することを主たる研究目的とする。そのために、SARS-CoVおよびウイルス遺伝子の一部を発現させたニューカッスル病ウイルス(NDV)を基盤,としたシュードウイルスシステムを作製し、SARS-CoVおよびH5N1-Fluの動物感染モデルを開発した。 これまでにインフルエンザウイルスの増殖機構について、ER・ゴルジ輸送におけるウイルス糖タンパク質の成熟化がその後のウイルス産生量に重要な役割を持つことを見出し、現在投稿のための最終準備を行っている。また、ブタ呼吸器上皮組織の初代培養細胞系を確立し、トリインフルエンザウイルスの細胞傷害活性についてNDVをベースとした組換えウイルスを用いて解析した。さらにSARS-CoVのウイルス(中空)粒子の再構成化にも成功し、Virionアッセンブリに重要な役割を果たすアミノ酸の同定を行い、そのメカニズムについて解析した。加えて、トリインフルエンザH5N1ウイルスに対するモノクローナル抗体を作製し、現在、特許出願を行っている。
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