2006 Fiscal Year Annual Research Report
MPO-ANCA関連血管炎自然発症マウスの疾患感受性遺伝子の同定
Project/Area Number |
17591056
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Research Institution | JUNTENDO UNIVERSITY |
Principal Investigator |
濱野 慶朋 順天堂大学, 医学部, 講師 (10281354)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
鈴木 和男 国立感染研, 生物活性物質, 室長 (20192130)
西村 裕之 桐蔭学園横浜大学, 工学部, 教授 (60189313)
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Keywords | MPO-ANCA / SCG / Kj / 血管炎 / 糸球体腎炎 / 半月体 / QTL |
Research Abstract |
多発性血管炎・半月体形成性腎炎及びMPO-ANCA産生に関連する遺伝的因子を同定するため、疾患モデルマウスSCG/Kjと正常マウスB6を用い、F2マウスを作成してQTL解析を行った。結果として、マウスの常染色体上に合計14個のFas以外の疾患感受性遺伝子座を同定した。糸球体腎炎関連遺伝子座は第1、10、13、16、17染色体上に、血管炎関連遺伝子座は第1、17染色体上に、免疫グロブリン高産生関連遺伝子座は第1、2、4、6、7、11、13、17染色体上に、抗核抗体産生関連遺伝子座は第1、8、10、12染色体上に、MPO-ANCA産生感受性遺伝子座は第1、10染色体上にマップされた。これらの中で、permutation testにより統計学的有意でSCG/Kj由来のQTLをScg-1〜Scg-5、B6由来のQTLをSxb-1〜Sxb-4と命名した。また、第1及び第10染色体上に存在し、MPO-ANCA高産生に関連するQTLをそれぞれMan-1及びMan-2と命名した。これらの結果はJ Immunolに掲載された。 一方、血管炎・腎炎の免疫学的発症機構を明らかにするため、H17・18年を通してF2マウスの全個体において、4週ごとに末梢血を採取し、顆粒球、単球、T細胞、B細胞、樹状細胞の増多と自己免疫形質(血清 IgG・IgM・抗ssDNA抗体・抗dsDNA抗体・抗クロマチン抗体・MPO-ANCA・腎炎・半月体・腎血管炎・脾腫・生存週齢)との関連を解析した。 その結果、顆粒球(r=0.211-0.606、p<0.0001)、単球(r=0.145-0.536、p<0.0001)、CD4^-CD8^-T細胞(r=0.134-0.629、p<0.0001)、樹状細胞(r=0.237-0.586、p<0.0001)が上記の形質全てと有意に相関することが判明し、これらはF2個体での腎炎発症群と健常群との比較で確認された。興味深いことに、上記の細胞群増多症はこれまでに同定したScg-1〜Scg-5、Sxb-1〜Sxb-4等の自己免疫形質感受性遺伝子とは別個の遺伝子群により支配されており、多段階を経て最終的に形成される自己免疫形質に関連する修飾遺伝子としてそれらが機能している可能性が示唆された。 ところで、これまでに同定したMPO-ANCA産生感受性遺伝子Man-1の本態に関して、染色体マーカーによる高解像度マッピングが進行中である。これまでに利用してきたDIMIT11、DIMIT191、DIMIT102に加え、この3者が規定する約14cMの区域に、今回新たに7マーカーを追加することにより1〜2cM単位のマッピングが可能となった。これらの結果により位置的候補遺伝子の絞り込みが進行している。
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Research Products
(1 results)