2005 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
17591058
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Research Institution | St. Marianna University School of Medicine |
Principal Investigator |
八木下 尚子 聖マリアンナ医科大学, 難病治療研究センター, 講師 (40367389)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
西岡 久寿樹 聖マリアンナ医科大学, 難病治療研究センター, 教授 (60049070)
中島 利博 聖マリアンナ医科大学, 難病治療研究センター, 教授 (90260752)
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Keywords | 関節リウマチ / 滑膜細胞 / シノビオリン / E3ユビキチンリガーゼ / 小胞体関連蛋白質分解 / 遺伝子改変マウス / 肝細胞 / アポトーシス |
Research Abstract |
シノビオリンは、われわれが関節リウマチ(RA)滑膜細胞よりクローニングした分子で、不良タンパク質を除去する機構の小胞体関連分解で機能するE3ユビキチンリガーゼである。実際、RA滑膜細胞ではシノビオリンが過剰発現している。さらにわれわれは、(1)シノビオリン過剰発現マウスは関節炎を発症し、(2)逆にシノビオリン遺伝子ヘテロ欠損マウスは関節炎モデルに対し抵抗性を示すことをこれまでに明らかとした(Genes Dev 2003 17:2436-2449)。シノビオリン遺伝子欠損マウス(syno^<-/->)は胎仔二次造血期に造血を行う器官である肝細胞での特異的なアポトーシスの亢進により、貧血を引き起こし胎生致死となることを証明した(J Biol Chem 2005 280:7909-7916)。 syno^<-/->では、シノビオリンが欠失することでその基質となる分子が蓄積し、特に致死となる時期のsyno^<-/->の肝臓においては、その影響が顕著に現れていると予想できる。逆にRAの滑膜細胞では、過剰発現したシノビオリンが基質となる分子を過剰に分解し、その基質の減少を引き起こしていることが想定できる。すなわち、シノビオリンの抗アポトーシス作用による滑膜細胞の増殖能獲得の背景には、基質の減少がある可能性が示唆される。 この点を解明するために、まずsyno^<-/->と野生型(syno^<+/+>)の間で発現している分子を比較することによりシノビオリンの基質となる分子が同定できると考え、検討を進めている。具体的には、各遺伝子型の胎仔肝を検体とし、トランスクリプトーム・プロテオミクス・Yeast two hybridの手法を用いてシノビオリンの基質を探索した。その結果、いくつかのシノビオリン基質候補分子の同定に成功した。今後、これらの基質候補分子が妥当であるかを検討し、またそれが滑膜細胞増殖に対しどのような影響を及ぼすかについて検証する。これらの解析を通じ、新たなRA治療標的分子の発見へと展開させる予定である。
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Research Products
(4 results)