2005 Fiscal Year Annual Research Report
シエーグレン症候群末梢血および唾液腺上皮細胞における遺伝子発現のDNAチップ研究
Project/Area Number |
17591059
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Kanazawa Medical University |
Principal Investigator |
小川 法良 金沢医科大学, 医学部, 助教授 (80308618)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
梅原 久範 金沢医科大学, 医学部, 教授 (70247881)
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Keywords | シェーグレン症候群 / 末梢血 / 唾液腺上皮細胞 / 遺伝子 / DNA array / インターフェロン / IL-1β |
Research Abstract |
【目的】シェーグレン症候群(SS)の末梢血および唾液腺上皮細胞に特異的に発現している遺伝子を同定するためにDNA microarray解析を施行し、臨床像、検査データ、病理組織所見、唾液分泌機能、涙液分泌機能との関連を検討した。 【対象と方法】一次性SS14例(全例女性、59.3±13.8歳)、二次性SS5例(全例女性、60.6±5.0歳、合併症:強皮症4例、SLE1例)の末梢血およびSS3症例の唾液腺上皮細胞の遺伝子発現をJapan Genome Solution(JGS)社のDNA microarray(778遺伝子)を用いて解析した。また罹病期間、免疫学的検査所見、眼科学的検査所見、唾液腺シンチグラフィー、唾液腺MRI、症状、合併症を解析し、遺伝子発現との関連を検討した。末梢血の正常対照はJGS社のレファレンスRNA(男性5名、女性5名、平均年齢39.3歳)を用い、関節リウマチ(RA)10例を疾患対照とした。また唾液腺上皮細胞の解析は、正常唾液腺上皮細胞3例から得たRNAを対照として用いた。 【結果】1)末梢血ではSSにおいてインターフェロン(IFN)により誘導される遺伝子群が高発現しており、IL-1βの発現が低下していた。2)一次性SS末梢血の遺伝子発現パターンは、RAとは異なっていた。一次性SSと二次性SS末梢血の遺伝子発現パターンは類似していたが、違いも認められた。主な違いは一次性SSにおいてよりIFN誘導遺伝子の発現が増大していた点であった。3)抗SS-B抗体陽性例は陰性例と比較して、末梢血におけるIFN誘導遺伝子の発現増大がより顕著に認められた。4)唾液腺上皮細胞ではSSにおいていくつかのIFN誘導遺伝子およびIL-1βの発現が低下していた。 【考察】SSでは末梢血、唾液腺上皮細胞ともに特有の遺伝子発現パターンの存在が示唆された。SS末梢血の遺伝子発現はRAと異なっていた。一次性、二次性SSは末梢血の遺伝子発現パターンが類似していたが、発現差を示す遺伝子群により区別しうる可能性が示唆された。臨床データのうち、抗SS-B抗体とIFN誘導遺伝子群の発現との関連が示唆された。
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Research Products
(1 results)