2006 Fiscal Year Annual Research Report
シエーグレン症候群末梢血および唾液腺上皮細胞における遺伝子発現のDNAチップ研究
Project/Area Number |
17591059
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Research Institution | Hamamatsu University School of Medicine |
Principal Investigator |
小川 法良 浜松医科大学, 医学部附属病院, 講師 (80308618)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
梅原 久範 金沢医科大学, 血液免疫制御学, 教授 (70247881)
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Keywords | シェーグレン症候群 / 末梢血 / 悪性リンパ腫 / 遺伝子 / DNA microarray / ribosomal protein |
Research Abstract |
【目的】シェーグレン症候群(SS)は悪性リンパ腫の発症頻度が健常人と比較して有意に高い。特に粘膜関連組織由来のリンパ腫(mucosa-associated lymphoid tissue lymphoma : MALTリンパ腫)の合併が多い事が報告されている。今回、2例のMALTリンパ腫合併SS症例の末梢血の遺伝子発現をDNA microarray法を用いて解析し、リンパ腫非合併SS症例と比較検討する事により、リンパ腫合併群に特徴的な遺伝子発現パターンの有無を解析した。【対象と方法】リンパ腫非合併一次性SS14例(全例女性、59.3±13.8歳)、MALTリンパ腫合併一次性SS2例(全例女性、69および80歳)の末梢血の遺伝子発現をJapan Genome Solution(JGS)社のDNA microarray(778遺伝子)を用いて解析した。またリンパ腫合併例2例中1例においては、化学療法前後での遺伝子発現について解析した。末梢血の正常対照はJGS社のレファレンスRNA(男性5名、女性5名、平均年齢39.3歳)を用いた。 【結果】1)MALTリンパ腫合併SS2例の末梢血ではリンパ腫非合併SSと同様にインターフェロン(IFN)により誘導される遺伝子群が高発現していた。2)MALTリンパ腫合併SS2例の末梢血ではリンパ腫非合併SSと比較すると多数のribosomal protein遺伝子の発現が亢進していた。3)化学療法の前後で遺伝子発現解析を施行したMALTリンパ腫合併SS1例において、ribosomal protein S29およびS27の発現レベルがそれぞれ53%および54%に低下していた。 【考察】MALTリンパ腫合併SSでは末梢血においてリンパ腫非合併SSと同様のインターフェロン誘導遺伝子の発現亢進を認める一方、ribosomal protein遺伝子の発現亢進を主体とする特有の遺伝子発現パターンの存在が示唆された。これらの遺伝子発現レベルを解析することにより、SSにおいてMALTリンパ腫合併高危険群の同定や早期発見ができる可能性がある。
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Research Products
(1 results)