2007 Fiscal Year Annual Research Report
マウス関節リウマチモデルにおけるサイトカインLET2による抑制機構に関する研究
Project/Area Number |
17591061
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Research Institution | National Institute of Infectious Diseases |
Principal Investigator |
山越 智 National Institute of Infectious Diseases, 生物活性物質部, 主任研究官 (00212283)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
大川原 明子 国立感染症研究所, 生物活性物質部, 主任研究官 (30260277)
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Keywords | 生体分子 / 生理活性 / 免疫学 / 病理学 / 医療・福祉 |
Research Abstract |
1.抗II型コラーゲン抗体誘導関節炎モデルを用いた解析 1)LECT2遺伝子導入によるLECT2遺伝子欠損マウスにおける関節炎抑制のメカニズム。 昨年度LECT2発現プラスミドをLECT2遺伝子欠損マウスの尾静脈からハイドロダイナミック法により導入し、抑制効果の至適化を行ったが、誘導されたLECT2の血中濃度は、DNA導入後1日程度で検出限界以下に低下したが、関節炎の抑制効果がその後も持続されたことからその矛盾について検討した。DNA導入後3日後の関節局所でのLECT2の濃度を測定したところ、野生型マウスの場合に匹敵する129pg/mg(totalprotein)の濃度のLECT2が検出された。このことから、LECT2遺伝子導入後血中濃度が低下しても少なくとも関節局所では、LECT2がしばらく存在することが判明し、そのことが関節炎抑制作用の持続の原因の1つと考えられた。 2)マウス関節炎モデルにおいてTGF-βの関与したNKT細胞の抑制作用が報告されている。LECT2遺伝子欠損マウスでは、肝臓NKT細胞の倍増すること分かっていることから、LECT2による抑制効果におけるNKT細胞の関与の可能性を検討した。関節炎誘導5日後の関節局所でのTGF-βの誘導は、野生型マウス、LECT2遺伝子欠損マウスとも約600pg/mg(total protein)と同レベルの発現であり、そのときのIL-4,IFN-γの産生量にも差が見られなかった。このことは、本モデルにおけるLECT2の抑制作用には、NKT細胞は介してない可能性が示唆された。 2.in vitroでのヒト組換え体LECT2によるヒト軟骨細胞、滑膜細胞への作用のマイクロアレイ解析 アジレント社の44000個の遺伝子からなるヒトマイクロアレイを用いて、関節炎発症にかかわると考えられる軟骨細胞、滑膜細胞にLECT2を作用させ変化する遺伝子を調べた。 3.ヒトLECT2レセプター遺伝子のクローニング LECT2のレセプターが発現していると予想されるマウス細胞からレトロベクターライブラリーを作成し、シグナルシークエンストラップ法によりクローニングを試みた。バックグランド、組換え体マウスLECT2の安定性に問題があることがわかりその条件検討を行った。
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