2005 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
17591063
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
田島 敏広 北海道大学, 大学院・医学研究科, 助手 (50333597)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
篠原 信雄 北海道大学, 病院・講師 (90250422)
菅原 照夫 北海道大学, 大学院・医学研究科, 助手 (40250451)
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Keywords | 副腎皮質 / 過形成 / 再生 |
Research Abstract |
副腎皮質の障害を起こす疾患の病態解明は皮質再生のメカニズムを理解するうえで重要である。 <Antley-Bixler症候群>本症候群はP450 microsome oxidoreductase(POR)異常によって発症する疾患で我々が世界で始めて提唱した新たな先天性副腎過形成症である。その表現形は狭頭症、橈骨融合、くも状指、外性器異常、副腎不全を呈する疾患である。しかし一部の症例では骨所見がはっきりしないことがある。今回我々は骨所見がなく、外性器異常、マススクリーニングにて血清17-hydroxyoprogesterone(以下17-OHP)の高値で発見された1例を経験し、POR遺伝子を解析した。症例は5才、女児。家族歴:特記すべきことなし。在胎41週,2720g、胎児切迫仮死にて帝王切開.出生体重2720g。陰核肥大、陰唇癒合、共通泌尿生殖洞に気づかれていた。色素沈着はなし。染色体は46,XX。血清17-OHPの高値を指摘され、以後現在まで高値持続していた。全身骨レントゲン検査ではABSに特徴的所見は見出されなかった。POR異常症を疑い、POR遺伝子を解析したところ、R457H, E580Qの変異を同定した。現在E580Qの酵素活性に及ぼす効果をin vitroで検討している。 <先天性副腎低形成症>この疾患のなかでACTH受容体異常は新生児〜乳児期に副腎不全を起こす。最近Melanocortine 2 receptor accessory protein(MRAP)の異常が同定された。われわれはACTH受容体異常のない先天性副腎低形成症と診断した4症例についてMRAP遺伝子を解析した。今回われわれの解析の結果では、いずれの症例においても変異を同定できなかった。今後さらなる検討が必要である。
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Research Products
(5 results)