2005 Fiscal Year Annual Research Report
アンジェルマン症候群の遺伝学的診断法と遺伝カウンセリングの確立
Project/Area Number |
17591064
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
斉藤 伸治 北海道大学, 北海道大学・病院, 講師 (00281824)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
須藤 章 北海道大学, 大学院・医学研究科, 客員研究員 (90374412)
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Keywords | アンジェルマン症候群 / 遺伝子診断 / エピジェネティクス / 遺伝カウンセリング |
Research Abstract |
アンジェルマン症候群(AS)を対象として体系的遺伝学的診断法の開発を行なった。DNAメチル化テスト、多型解析、UBE3A変異解析、リアルタイムPCRを用いた微細欠失解析の組み合わせで、すべての遺伝学的群の診断が可能となった。これまでの検査体系では刷り込み変異における微細欠失に検出が十分でなかった。今年度の検討にてリアルタイムPCRを用いた微細欠失検出法の有用性を検討し、体系的解析法を確立することができた。この体系的遺伝学的診断法を用いてAS非欠失例66例を解析し、53%の35例の原因の同定が可能であった。欠失例は商業的にFISH法により診断可能であるために、今回の解析の対象とはしなかった。35例の内訳は、片親性ダイソミー(UPD)7例、刷り込み変異8例、UBE3A遺伝子変異20例であった。UPD例ではすべて孤発例であった。しかし、刷り込み変異では同胞例1家系2例、UBE3A変異例では4家系6例の家族例が存在した。母親の解析ができた孤発例4例中1例の母は保因者であり、3例はde novo変異であった。UBE3A変異同胞例の1家系においては、母親の生殖腺モザイクが発見され、母親の末梢血を用いた検査が正常であっても、再発危険率が高い可能性の存在が示された。このように、体系的遺伝学的診断法を行なうことにより、ASの確定診断を得ることができるだけでなく、遺伝カウンセリングの観点からも重要であることを明らかにすることができた。ASにおける解析法は遺伝性精神遅滞の診断モデルとして重要であるのみならず、エピジェネティクス解析と遺伝学的解析とを組み合わせる、複雑な遺伝背景を有する疾患の解析モデルを提供する点で独創的な役割を示すことができた。
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Research Products
(6 results)