2005 Fiscal Year Annual Research Report
Ara-Cによる小頭症の発生過程における神経細胞移動障害の役割
Project/Area Number |
17591082
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Research Institution | Shiga University of Medical Science |
Principal Investigator |
高野 知行 滋賀医科大学, 医学部, 講師 (80236249)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
瀧北 彰一 滋賀医科大学, 医学部, 助手 (10378458)
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Keywords | 小頭症 / 異所性灰白質 / 皮質形成異常 / 神経細胞移動 / アポトーシス / マウス |
Research Abstract |
概要:本年度はAra-Cによる実験的小頭症モデルマウスにおいて、小頭症の発生過程にいたる形態学的・免疫組織学的評価と、神経細胞の生成動態の解析を中心に行った。 方法:ICR-JCL系マウスの妊娠13.5および14.5日目にAra-Cを30mg/kg腹腔内に接種し実験群、生食水を接種し対照群とした。これらの摘出脳についてnestin, calretinin, MAP2およびTUNELの各免疫染色を行うとともに、一部には妊娠15.5日目にBrdUを腹腔内接種してBrdU陽性細胞の脳内分布を観察した。 結果:胎生15.5日目の対照群では、nestin陽性の放射状グリア線維が脳室帯から脳表まで密に分布し、BrdU陽性の神経上皮細胞は脳室帯の外層に主として集積していた。subplateには内包からcalretinin陽性線維が明瞭に観察された。実験群では、放射状グリア線維は帯状回の皮質では一部において欠如し、脳室帯の神経上皮細胞にもBrdUを欠如する領域が観察された。内包からsubplateにかけてcalretinin陽性線維の伸長は不良で、帯状回および前頭葉のsubplateには陽性線維は認められなかった。TUNEL陽性細胞は大脳半球に広範囲に分布し、特に脳室帯および中間層に多数分布していた。生後0日目には、両側の帯状回から前頭葉の皮質下に小卵円形の異所性灰白質を認め、生後1日目にはさらに、側脳室の上側方部にも異所性灰白質を認めた。これら異所性灰白質の神経細胞はMAP2陽性であった。 考察:Ara-Cは脳室帯および中間層の幼弱な神経細胞に強いアポトーシスを惹起することが明らかとなった。神経細胞の移動障害は放射状方向のみならず接線方向の細胞移動にも認められ、異所性灰白質をともなう小頭症の発生過程に密接に関連していた。
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Research Products
(7 results)