2005 Fiscal Year Annual Research Report
日本人乳児・新生児糖尿病の原因遺伝子解析:特にKir6.2とその関連遺伝子の関与
Project/Area Number |
17591084
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
依藤 亨 京都大学, 医学研究科, 講師 (60220779)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
河井 昌彦 京都大学, 医学研究科, 助手 (00283599)
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Keywords | 家族性糖尿病 / 新生児糖尿病 / 乳児糖尿病 / Kir6.2 |
Research Abstract |
(1)新生児発症糖尿病、小児期発症糖尿病、妊娠糖尿病、成人発症2型糖尿病を含む家族性糖尿病の1家系4世代についてゲノムワイド連鎖解析の上、候補遺伝子の塩基配列決定を行い、Kir6.2遺伝子の変異を同定した。また、パッチクランプ法による生理学的検査にて本変異をもつATP依存性カリウムチャンネルは常時オープンする傾向にあることを確認した。本遺伝子は従来新生児持続性低血糖症の遺伝子と考えられていたが、その活性化変異が糖尿病につながることを証明した。本遺伝子の変異は、英国のグループが新生児永続型糖尿病の原因遺伝子となりうる可能性を示唆していたが、我々の研究の結果、成人発症糖尿病を含む多彩な糖尿病の原因となりうることを初めて報告した。 (2)欧米人においては優性遺伝性糖尿病のうちインスリン欠乏をその主な機序とする家系では、その80%近くがいわゆるMODY(Maturity Onset Diabetes of the Young)遺伝子の1-6型のどれかで占められることが知られているが、日本人においては、20%前後にしか変異が同定できない。上記(1)の成果を受けて日本人優性遺伝性糖尿病の家系を収集しKir6.2の異常の有無を検討中である。現在までのところは、15家系について検索が終了したが、上記1家系と新生児糖尿病の1家系のみに変異が同定された。現在も継続中である。 (3)Kir6.2の変異が同定されなかった家系については、他の既知のMODY遺伝子のすべてについて解析を進め、それでも変異が同定されない家系においてはさらに(1)と同様のゲノムワイド連鎖解析を進行中である。
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