2005 Fiscal Year Annual Research Report
プロスタグランジンD2を鍵とした脱髄疾患の病態解析と治療法の開発
Project/Area Number |
17591085
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
谷池 雅子 大阪大学, 医学系研究科, 助教授 (30263289)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
酒井 規夫 大阪大学, 医学系研究科, 講師 (30314313)
和田 和子 大阪大学, 医学系研究科, 助手 (30294094)
荒堀 仁美 大阪大学, 医学部附属病院, 医員 (40379186)
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Keywords | 脱髄 / プロスタグランジンD2 / 神経炎症 / ミクログリア / アストロサイト / プロスタグランジンD合成酵素 / 神経病理 |
Research Abstract |
申請者はプロスタグランジン(PG)D_2がCNSにおける炎症性メディエーターであること、造血器型PGD合成酵素(HPGDS)がミクログリアに発現し、PGD_2の特異的レセプターDP1、DP2の内DP1はアストロサイトに発現することを見いだしている。 1)培養ミクログリアを用いた検討 活性化ミクログリアのマーカーであるIba-1抗原発現量は、DP1作動薬BW245C添加によって増加、DP2作動薬DK-PGD2添加により低下した。HPGDSのmRNAはBW245C添加により増加、DK-PGD2添加により低下することが判明した。また、BW245C添加により、ミクログリアにおけるIL-1βのmRNAは増加したが、TNFαは変化しなかった。 2)培養アストロサイトを用いた検討 PGD_2、BW245C、DK-PGD_2を添加すると、いずれにおいても活性化アストロサイトのマーカーであるglial fibrlllary acidic proteinの発現は増加した。BW245C添加により上清中のIL-6は用量依存性に増加したが、TNF-αの産生量には変化は認められなかった。 上記の結果より、(1)ミクログリアのHPGDSにより産生されるPGD_2はautocrine的にDP1を介してミクログリアを活性化し、HPGDSの産生を増加させる反面、DP2を介してはミクログリアを不活性化しHPGDSの産生を低下させるという2面性を持つこと、(2)DP1・DP2いずれの刺激によってもアストロサイトは活性化されること、(3)脱随に関連するサイトカインの内、DP1刺激によりミクログリアにおいてIl-1βの産生が、アストロサイトにおいてIL-6の産生が促進されることがわかった。平成18年度は、遺伝性脱髄モデルtwitcherにHPGDSの阻害剤またはDP1拮抗剤を投与し、臨床症状・神経病理への効果を検討する。
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Research Products
(6 results)