2005 Fiscal Year Annual Research Report
チロシン特異的ホスファターゼSHP-2を介した成長軟骨制御機構の解明
Project/Area Number |
17591086
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
難波 範行 大阪大学, 大学院・歯学研究科, 助手 (10379076)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
大倉 正也 大阪大学, 大学院・歯学研究科, 助教授 (10281130)
道上 敏美 大阪府立母子保険総合医療センター研究所, 環境影響部門, 部長 (00301804)
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Keywords | SHP-2 / 成長軟骨 / 成長障害 / Noonan症候群 / LEOPARD症候群 |
Research Abstract |
(1)変異SHP-2恒常発現細胞株、アデノウイルスベクターの作製 SHP-2変異の軟骨に対する作用およびその分子基盤を検討するため、軟骨細胞のすべての分化段階を再現できるマウス軟骨細胞由来ATDC5細胞株を用い、Noonan症候群・LEOPARD症候群患者より同定したSFP-2変異の恒常発現株作成を試みた。しかし、導入した変異に関わりなく個々のクローンの形態にばらつきが認められ、遺伝子導入による効果を上回ると考えられたため、恒常発現細胞株の樹立は断念した。アデノウイルスベクターによる遺伝子導入ではWestern blot法により、タンパクの発現が確認された。それぞれの変異タンパクを免疫沈降後、ホスファターゼ活性の変化を測定したところ、予想通り活性の上昇する変異が認められた。その一方で予想に反し、活性の低下する変異も認められた。 (2)軟骨細胞の分化・増殖・アポトーシスおよびそのシグナル伝達経路の検討 アデノウイルスベクターを用い、ATDC5細胞に各種変異SHP-2を強制発現し、BrdU取り込みにより細胞増殖能を検討したところ、定常状態においてホスファターゼ活性に関わりなく細胞増殖促進効果が認められた。また、変異SHP-2導入により、FGF2添加によるMAPK活性化は影響を受けなかったが、インスリン添加によるMAPK活性化は減弱する傾向が認められた。軟骨分化については、短期間で分化を促進させることが知られているAlginate bead培養系を用い、ColX発現を指標として分化を評価する実験系を確立した。 (3)軟骨細胞の細胞運動、細胞骨格およびそのシグナル伝達経路の検討 変異SHP-2導入したATDC5細胞では、野生型SHP-2導入時と比較し、細胞質の収縮および多数の糸状仮足が認められた。
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