2007 Fiscal Year Annual Research Report
小児遷延性感染症の病原菌におけるバイオフィルム形成能の検討と新規関連遺伝子の同定
Project/Area Number |
17591098
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Research Institution | Kagoshima University |
Principal Investigator |
西 順一郎 Kagoshima University, 医学部・歯学部附属病院, 講師 (40295241)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
野村 裕一 鹿児島大学, 大学院・医歯学総合研究科, 准教授 (90237884)
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Keywords | バイオフィルム / 腸管凝集性大腸菌 / 遺伝子ノックアウト / shf / 転写因子 |
Research Abstract |
腸管凝集性大腸菌042の病原プラスミド上のshf遺伝子の機能解析 腸管凝集性大腸菌(enteroaggregative Escherichia coli,EAEC)は、持続感染に関与する厚いバイオフィルム形成を特徴とする。その病原プラスミド上の遺伝子群、shf,capU,virK(cap locus)の遺伝子ノックアウトを行い、機能解析を行った。マイクロタイタープレートアッセイとバイオフィルム形成能は、0.45%グルコース添加DMEMと24穴ポリスチレンプレートを用い、吸光度OD_<600>で定量化した。マイクロタイタープレートアッセイにおいて、沈降付着した菌体数は042野生株、shf,capU,virK欠損株ともに全て同程度であった。しかし、バイオフィルム形成能については、sbf欠損株(OD_<600>:0.230±0.007)が、042野生株(0.564±0.022)に比べて著明に低下していた。一方、capU欠損株、virK欠損株のバイオフィルム形成能は、042野生株と同等であった。shf遺伝子のコンプリメント株は、042野生株と同程度までバイオフィルム形成能を回復した。shf遺伝子の転写は、野生株に比べて転写因子aggR欠損株で著明に抑制された。一方、aggRコンプリメント株では、aggRの転写増強条件で、shf遺伝子の発現が明らかに増強した。以上の結果より、shf遺伝子がEAEC042株のバイオフィルム形成に重要であることが明らかになった。また、shf遺伝子がAggRに正に制御され、AggR regulonのひとつであることが明らかになった。
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