2006 Fiscal Year Annual Research Report
プロテインチップによるスーパー抗原抗体価別川崎病の病因検索
Project/Area Number |
17591099
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Research Institution | Kagoshima University |
Principal Investigator |
野村 裕一 鹿児島大学, 大学院医歯学総合研究科, 助教授 (90237884)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
西 順一郎 鹿児島大学, 医学部・歯学部附属病院, 講師 (40295241)
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Keywords | 川崎病 / プロテインチップ / スーパー抗原 / TSST-1 |
Research Abstract |
【はじめに】H17年度の検討で、陽イオン交換チップ(pH4)のm/z 11,524と11,681が6か月未満の川崎病で有意なpeakだった。また、抗TSST-1抗体価別の検討では、陽イオン交換チップ(pH7)のm/z 12,883が特異的な蛋白である可能性が示された。これらのマーカー候補の蛋白について新たな検体で検討を行った。【対象および方法】6か月未満発症の川崎病で発症5病日以内の治療前の8例(0.3±0.1歳、2.8±1.3病日)と熱性疾患5例(0.3±0.2歳)の血清を用いて、プロテインチップによる解析を行った。【結果】陽イオン交換チップ(pH4)のm/z 11524と11681はコントロールのピーク強度が高値だった。銅修飾チップm/z 28008は川崎病とコントロールでほぼ同程度のピークだった。陽イオン交換チップ(pH7)m/z 12883は両群でピーク強度に差を認めなかった。そこで、2年間の結果を再検討しバイオマーカー候補の再度の絞込みを行ったが、2年分ともに有意な差(p<0.05)を認めたピークとしてm/z 17389(陽イオン交換チップpH4)を認めた。P<0.1のピークとして陽イオン交換チップpH4のm/z 17405、14052、8702、14056を認めた。これらのピークは全て川崎病患児に低値のピークであり、川崎病に特異的に高値のピークは見出せなかった。【考案】H17年度の検討でバイオマーカーの可能性が考えられたピークは今回の検討では再現性がなかった。バイオマーカー候補と考えられた川崎病患児のピーク強度は2年間で差がなく、再現性が得られなかった原因は疾患コントロール血清のバラツキにあると考えられた。ただ、陽イオン交換チップpH4のm/z 17389等の川崎病のバイオマーカー候補が見出され、今後更に多検体による再現性の確認が必要と考えられた。【結語】H17年度に得られたバイオマーカー候補の再検討を行ったが、川崎病急性期に特異的に増加するピークは得られず、抗体価別検討でも病因に結びつくピークは得られなかった。しかし、川崎病のバイオマーカー候補の絞り込みを行うことはできた。今後、多数検体での検討を進める予定である。
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