2006 Fiscal Year Annual Research Report
心臓冠状動脈形成におけるメルトリンβ/ADAM19の機能解析
Project/Area Number |
17591117
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Research Institution | Tokyo Women's Medical University |
Principal Investigator |
富田 幸子 東京女子医科大学, 医学部, 助手 (40231451)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
瀬原 淳子 京都大学, 再生医科学研究所, 教授 (60209038)
森 善樹 東京女子医科大学, 医学部, 講師 (00166381)
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Keywords | 心臓 / 冠状動脈 / 派生 / メタロプロテアーゼ / 形態形成 |
Research Abstract |
メルトリンβ(ADAM19)はADAM (a disintegrin and metalloprotease)ファミリーに属する膜貫通型糖蛋白質である。このファミリー蛋白質は、ディスインテグリンドメインとメタロプロテアーゼドメインを持つので、細胞接着機能と蛋白質分解機能の両方を有すると考えられており、受精、筋発生、神経発生といった細胞間および細胞-マトリックス相互作用に関わる様々な生物学上の過程に関係している。 心臓発生過程でメルトリンα(ADAM12)、メルトリンβ、メルトリンγ(ADAM9)、ADAM15、TACE (ADAM17)の発現はあるが、ADAM17、メルトリンβノックアウトマウスに心臓の房室弁異常が報告され、またADAM17とメルトリンβ、メルトリンγとメルトリンβのダブルノックアウトマウスでは単独のノックアウトマウスよりも心形態異常が報告されている(Dev Biol2005:283:459-471)。メルトリンβ欠損マウスでは心室中隔膜様部欠損と弁形成異常が認められる。この異常が心臓神経堤由来細胞によるのか、内皮細胞由来によるのかを検討した。心臓神経堤特異的発現するPO-Creマウスと内皮特異的発現するTie2-Creマウスを使って、メルトリンβ欠損マウスを検討した。心臓神経堤細胞のメルトリンβ欠損がこれら異常を引き起こすことが判明した。さらに、この欠損マウスでは心臓流出路の近位にある左右クッションが癒合しないために、房室心内膜床クッション組織の発達が遅れて膜様部心室中隔が形成されないことが明らかとなった。このことは心臓形態形成メカニズムを知る上で重要な知見である。
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Research Products
(6 results)