2005 Fiscal Year Annual Research Report
臓器移植後HHV-6中枢神経系感染症の病態解明ならびに診断治療指針の確立
Project/Area Number |
17591120
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Fujita Health University |
Principal Investigator |
吉川 哲史 藤田保健衛生大学, 医学部, 助教授 (80288472)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
浅野 喜造 藤田保健衛生大学, 医学部, 教授 (40131180)
須賀 定雄 藤田保健衛生大学, 医学部, 助教授 (70257616)
三宅 史 藤田保健衛生大学, 医学部, 助手 (20367709)
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Keywords | HHV-6 / 脳炎 / 造血幹細胞移植 / 再活性化 / サイトカイン |
Research Abstract |
1.小児造血幹細胞移植患者から経時的なサンプリングを行い、血液からのHHV-6分離、抗体価測定によりウイルス感染の有無を決定。同時に採取した血清を用い種々のサイトカインを測定し、ウイルス再活性化とレシピエントの血中サイトカイン動態を解析した。その結果、TNF-α、IL-6の上昇がウイルス再活性化に先行し、ウイルス感染後はIL-6の上昇が持続することが明らかとなった。 2.大阪赤十字病院血液内科から2名の造血幹細胞移植後脳炎患者のウイルス学的解析依頼を受け、ウイルス分離、血清診断、髄液中ウイルスDNAモニタリングを実施。2例とも血液からのウイルス分離は陰性で、抗体価の有意上昇も認められなかったが、急性期髄液中には多量のHHV-6 DNAが存在し、ガンシクロビル治療によりviral loadが急速に低下して行くことが明らかとなった。今後臨床像、種々の検査所見との関連性を解析する予定である。 3.これまで報告された造血幹細胞移植後のHHV-6脳炎は殆どが成人例である。我々はこれまで多数の小児例を解析してきたが、移植後のHHV-6脳炎症例は経験していない。そこで、同様のウイルス学的解析方法を用いて、小児例と成人例のHHV-6感染症、特に脳炎の発症頻度、症状に差があるかどうか明らかにするため前方視的研究を開始した。今年度は、研究計画書を本学倫理委員会に提出し承認を得た後、本外血液内科で臍帯血移植を受けた2例について経時的にサンプリングし解析した。そのうちの一例は、移植後2週間目と1ヶ月目にウイルスが分離された。このように長期間ウイルス血症が続く(あるいは反復)することは小児例では極めて稀である。発熱、下痢、肝機能障害は認めてものの、脳炎症状は認められなかった。今後、本研究を継続し多数例を解析する予定である。
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Research Products
(6 results)