2006 Fiscal Year Annual Research Report
臓器移植後HHV-6中枢神経系感染症の病態解明ならびに診断治療指針の確立
Project/Area Number |
17591120
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Research Institution | Fujita Health University |
Principal Investigator |
吉川 哲史 藤田保健衛生大学, 医学部, 助教授 (80288472)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
浅野 喜造 藤田保健衛生大学, 医学部, 教授 (40131180)
須賀 定雄 藤田保健衛生大学, 医学部, 助教授 (70257616)
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Keywords | HHV-6 / 造血肝細胞移植 / サイトカイン / 脳炎 / 再活性化 |
Research Abstract |
臓器移植後のHHV-6中枢神経感染症の病態解明を目指し引き続き小児、成人造血肝細胞移植患者から経時的なサンプリングを行いウイルス分離、血清診断、リアルタイムPCR法によるウイルスDNAモニタリングを行なった。小児はこの一年間に約30例を解析、そのうち約40%でHHV-6感染を確認したが、中枢神経系合併症を来たした症例はなかった。一方成人例は残念ながら症例数が少なく3例のみであったが、3例とも神経症状はなかった。これらの患者から経時的に採取された血清を用いサイトカイン濃度を測定し、HHV-6再活性化にはIL-6、TNF-αの二つのサイトカインが重要な役割を演じていることが示唆された。 他施設からHHV-6脳症を疑われて検査依頼があった成人造血肝細胞移植患者の中で、HHV-6感染が証明された8例の髄液中サイトカインを測定した。これまではELISA法によりサイトカイン濃度を測定していたが、その場合は検査あたり50〜100μlの検体が必要なため複数のサイトカインについて包括的に解析するのは困難だった。そこで今年度の研究では、フローサイトメーターを使ったCytometric Beads Array (CBA)システムを用いて一度に6種類の炎症性サイトカイン測定を試みた。その結果それら8例では髄液中IL-8とIL-6の上昇が認められた。IL-1β、IL-10、TNF-α、IL-12は殆ど検出されなかった。今後、成人のその他疾患患者の髄液中サイトカイン値を測定し比較するとともに、各患者の臨床症状との関連性について詳細に解析してゆく予定である。
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