2007 Fiscal Year Annual Research Report
臓器移植後HHV-6中枢神経系感染症の病態明ならびに診断治療指針の確立
Project/Area Number |
17591120
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Research Institution | Fujita Health University |
Principal Investigator |
吉川 哲史 Fujita Health University, 医学部, 准教授 (80288472)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
浅野 喜造 藤田保健衛生大学, 医学部, 教授 (40131180)
須賀 定雄 藤田保健衛生大学, 医学部, 准教授 (70257616)
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Keywords | HHV-6 / 造血幹細胞移植 / サイトカイン / 脳炎 / 再活性化 |
Research Abstract |
対象は造血幹細胞移植を受けた小児51名(男児:28例、女児:23例、平均年齢:8±5.4歳)。患児の背景(原疾患、ドナーグラフト種類、HLAタイピング)についてはカルテを基に後方視的に調べた。全血200μ1からDNAを抽出し、リアルタイムPCR法にてEBV、CMV、HHV-6 DNA量を測定。HHV-6についてはウイルス分離、抗体測定も行った。EBVは1000コピー/μgDNA、CMVは100コピー/μgDNA、HHV-6は10コピー/μgDNAを感染ありと規定しウイルス再活性化状況を解析。サイトカインとの関連性解析の際には、HHV-6のみウイルス分離と血清診断の成績も加味して判定した。血清中サイトカインについては6種類(IL-8,IL-1β,IL-6,IL-10,TNF-α,IL-12p70)をCytometric Beads Arrayにて測定した。 ウイルスDNA量を基準として各ウイルス再活性化状況を解析した結果、HHV-6についてはこれまで同様移植後2週から3週に再活性化のピークを認めたが、EBV、CMVについては明らかなピークは認められなかった。3種類のウイルスとも、移植後約2ケ月間にほぼ半数の患児で再活性化が認められた。原疾患と再活性化の頻度について解析した結果、EBVは非悪性腫瘍群で有意に再活性化の頻度が高く、HHV-6については悪性腫瘍群で有意に高頻度だった。HLAタイピングについての解析では、EBV感染がミスマッチ群で有意に高頻度、CMVとHHV-6については有意な相関はなかった。さらに、ドナーグラフとの種類については、HHV-6感染のみが臍帯血移植群、非血縁群、血縁群の順に高頻度であったが、他の2種類のウイルスではそのような傾向はなかった。サイトカインとの関連性については、EBV感染群は移植後4週目のIL-12p70が悲感染群に比べ高値を示した。CMVはTNF-α、IL-8、IL-6、IL-12p70が移植後3〜5週にかけて非感染群の方が感染群より高値を示した。HHV-6は、移植後2週、4週において感染群でTNF-αが高値を示した。
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