2005 Fiscal Year Annual Research Report
児童・思春期のこころの問題に対する脳科学的解明とバイオフィードバック治療の開発
Project/Area Number |
17591124
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Kurume University |
Principal Investigator |
永光 信一郎 久留米大学, 医学部, 助手 (30258454)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
森田 喜一郎 久留米大学, 高次脳疾患研究所, 教授 (20140642)
津田 彰 久留米大学, 文学部, 教授 (40150817)
石橋 正敏 久留米大学, 医学部, 教授 (20168256)
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Keywords | 脳科学 / 思春期 / 心身症 / こころ / バイオフィードバック |
Research Abstract |
今年度研究期間中に以下の事について明らかにした。 1)児童・思春期のこころの発達には教育・環境など外因子が働きかけるが、環境の一因子としての娯楽、とりわけインターネット・ゲーム機器への没頭がコミニュケーションスキルの低下を招くと言われている。ゲームをおこなう事が、脳循環にどの様な影響を与えるか近赤外線光トポグライフィーを使って年齢別に検討した。大人・子ども(6人ずつ、計12名)において前頭頭頂葉(motor cortex)はゲーム中、血液量が増加するが、前頭前野では大人5名が増加、子ども2名で血液量の低下が認められた。また、大人では前頭頭頂葉と前頭前野の血液量がゲーム中に正の相関関係がある事が判明した。興味、集中力、心拍などの体循環が脳血液量に影響を与えるものの年齢によって反応パターンが異なり、長期の情報機器への曝露がどのような影響を及ぼすか今後の検討とされた。 2)軽度発達障害児(学習障害、注意欠陥多動性障害)の集中力、視覚認知機能、読字能力を検討する目的で視線軌跡を追うことのできるアイマークレコーダーで11名の患児と11名の対象群で、追従性眼球運動中のサッケード数、妨害刺激を加味した集中維持能力の測定、長文の音読課題中の眼球運動を測定した。患者群では追従性眼球運動中のサッケード数は多く、集中維持能力は低く、音読中の視線停留時間、停留階数、サッケード数、視線総移動距離、音読の所要時間、誤読数いずれも優位に対照群に比べ、多い(長い)事が判明した。・LD児は、読字に必要な視線の静定化機能の低下や注意維持能力に問題があることが示され、長文の音読においては、逐字読みが生じることが示された。また、音読は黙読に比べて「声」という手がかりがあるため飛ばし読みが少なくなることが示唆された。
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Research Products
(1 results)