2006 Fiscal Year Annual Research Report
ヒトES細胞と遺伝子治療技術による小児心疾患への独創的な再生療法の開発
Project/Area Number |
17591126
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Research Institution | Kagoshima University |
Principal Investigator |
小戝 健一郎 鹿児島大学, 大学院医歯学総合研究科, 教授 (90258418)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
前野 泰樹 久留米大学, 医学部, 講師 (90248401)
竹村 元三 岐阜大学, 大学院医学研究科, 講師 (40283311)
國貞 隆弘 岐阜大学, 大学院医学研究科, 教授 (30205108)
高橋 知之 久留米大学, 医学部, 助教授 (20332687)
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Keywords | 再生医学 / 遺伝子 / 発生・分化 / 移植・再生医療 |
Research Abstract |
小児の難治性心疾患へのヒトES細胞による再生療法の基盤を確立する本研究で、以下のような成果を得てきた。 1.心筋分化誘導法の開発 (1)マウスES細胞で有効だった胚様体形成法+増殖因子添加は、ヒトES細胞ではそれほど心筋分化誘導効率の上昇がみられなかった。 (2)2種類の間葉系細胞との共培養で、マウスES細胞だけでなく、ヒトES細胞でも心筋分化誘導に成功した。但しヒトES細胞では未だその効率は低いため、細胞濃度の違いなど、培養条件をさらに詳細に検討している。 (3)ある心筋特異的転写因子をマウスES細胞に遺伝子導入・強制発現したが、それだけでは劇的心筋分化誘導効果は得られなかった。よって色々な条件(発現時期、発現強度、複数転写因子の同時に導入、培地条件など)を再検討していっているところである。 2.誘導できた心筋細胞の単離 我々は遺伝子治療の遺伝子導入ベクター技術をES細胞のin vitro分化系に初めて本格的に応用し、マウスES細胞から分化したいかなる目的細胞でも単離できる革新技術の開発に成功した。その研究論文は遺伝子治療の研究では最も権威ある雑誌のMolecular Therapy誌に出版され、また同誌の表紙とニュースにも取り上げられたように、その成果は高く評価され話題となった。ヒトES細胞にその方法を応用してみたが、予想に反して目的細胞を可視化することができなかった。その原因を探索するうちに、遺伝子導入ベクター、遺伝子発現コンストラクトの適切性において、これまでに報告がない、マウスES細胞と異なるヒトES細胞での特徴という大きな事実を発見、解明できた(論文準備中)。よって、新しい遺伝子導入ベクターの構築を再設計しているところである。
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