2005 Fiscal Year Annual Research Report
神経芽腫のゲノムおよび遺伝子発現変化の網羅的・統合的解析とその臨床への応用
Project/Area Number |
17591127
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Research Institution | Chiba Cancer Center (Research Institute) |
Principal Investigator |
大平 美紀 千葉県がんセンター(研究所), 生化学研究部, 研究員 (20311384)
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Keywords | 神経芽腫 / アレイCGH / マイクロアレイ / 癌 / ゲノム |
Research Abstract |
近年のがん治療法の進展にもかかわらず、進行神経芽腫は依然として予後が悪く、また、現在臨床で用いられている神経芽腫の予後マーカーでは予後予測が困難な中間予後群が存在する。このような症例についての早期判別と適切な治療戦略設定を実現するため、本研究では多検体の神経芽腫を用いたゲノム異常の詳細な解析と、網羅的遺伝子発現データとの統合を行い、癌の発症・進展の原因となる関連遺伝子や、予後不良な神経芽腫の素因となる遺伝子の同定を目指す。 本年度は以下の成果が得られた。 1)遺伝子発現プロファイルデータの取得 当研究室で独自に作製した神経芽腫由来の5,000個の遺伝子のチップおよび小児癌由来の11,000個の遺伝子のチップを用いて、予後不良群および中間予後群の腫瘍を中心に遺伝子発現解析を行った。また、UCSCのGenome Browserに対するデータベース検索によりチップ上の遺伝子の染色体マッピングを進め、2)で用いたBACアレイ上に搭載された各BACクローンと対応付けを行った。神経芽腫由来の5,000個の遺伝子のチップについては、マッピング情報のBACとの対応付けが終了した。 2)アレイCGH法によるゲノム異常データと遺伝子発現データの統合的解析 神経芽腫268症例についてアレイCGH解析を行い、得られたゲノム異常のパターンと、1)で得られた136症例の遺伝子発現のパターンの比較を開始した。進行神経芽腫に特異的な欠失(あるいは増加)領域(特に1p36領域、11q領域、17q領域)と、そこにマップされる遺伝子の中で発現が予後不良群で低下(あるいは増加)したものを検索した。17qの増加領域に座位する3つの候補遺伝子を同定した。 来年度は選択した候補遺伝子の詳細な機能解析を行うとともに、上記11,000遺伝子のチップを用いて神経芽腫のゲノムDNAをハイブリダイゼーションし(cDNAマイクロアレイ-CGH)、得られたゲノム異常データを発現解析データと統合することも計画している。
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Research Products
(11 results)