2007 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
17591134
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Research Institution | Institute for Developmental Research, Aichi Human Service Center |
Principal Investigator |
中村 みほ Institute for Developmental Research, Aichi Human Service Center, 機能発達学部, 主任研究員 (70291945)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
渡邉 昌子 生理学研究所, 感覚運動調節研究部門, 助教 (00321612)
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Keywords | ウィリアムズ症候群 / 顔 / 脳磁図 / ERP / 倒立効果 |
Research Abstract |
従来実施してきたウィリアムズ症候群における顔認知研究の最終年度に当たり、過去2年間の成果をまとめるとともに、顔認知の神経生理学的所見と臨床医学的ならびに心理的検討の結果を合わせて検討することにより、顔認知の発達とウィリアムズ症候群におけるその特徴を明らかにするとともに、顔認知の発達に影響する脳と他の機能についても解明を目指した。 一連の本研究過程において、13歳男性、13歳女性の2名についても脳磁図による検討で顔の倒立効果が認められないこと、同年齢の定型発達女性2名ではいずれも倒立効果の出現を認めることがわかっている。さらにより多くの患者において顔の倒立効果の欠如が認められるかどうか、それが定型発達の経緯と異なる否かを11歳、14歳、16歳のウィリアムズ症候群男性患者に対して、正立顔倒立顔に対する事象関連電位(ERP)を計測することにより検討し定型発達者(TD)の結果と比較検討したところ、14歳男性患者においては同年齢のTDと同様の顔倒立効果を示した。また11歳患者においては倒立効果を示すにはいたらないものの同年歳TDとの反応に有意な違いを認めなかった。 以上、5名のウィリムズ症候群患者に関して顔の倒立効果の有無(またはTDとの有意な違い)はBenton facial recognition testをはじめとする多くの心理学的課題との関連は認められなかったが、3次元課題の模写の発達段階と倒立効果の発現が関連することが示唆された。今後更なる検討を要するが、3次元図形の模写は視覚認知背側経路の機能にかかると考えられ、腹側経路の代表的機的である顔認知の機能の発達が背側経路の発達に関与すること可能性が推側され、両経路の関連について新たな知見を提共しうる結果を得た。
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