2006 Fiscal Year Annual Research Report
樹状突起フィロポディアに局在するニューログリカンCの神経発達における役割
Project/Area Number |
17591135
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Research Institution | Institute for Developmental Research, Aichi Human Service Center |
Principal Investigator |
時田 義人 愛知県心身障害者コロニー発達障害研究所, 周生期学部, 研究員 (50291175)
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Keywords | プロテオグリカン / コンドロイチン硫酸 / 神経細胞 / 発達障害 |
Research Abstract |
発達障害における認知障害や行動障害は、先天的または後天的理由で対応する神経回路網が抑制/増強されている可能性が高い。従って、発達障害の予防や臨床像の理解・改善のためには、まず神経回路形成の分子機構を明らかにすることが必要である。 ニューログリカンC(NGC)は、申請者の所属グループで発見された膜貫通型コンドロイチン硫酸プロテオグリカンである。これまでに、申請者はNGCが神経細胞の樹状突起のフィロポディアに局在することを示している。 そこで、本研究課題において、後シナプスに局在するNGCがシナプスやスパインに及ぼす作用を明らかにし、神経回路形成の分子機構を検討する目的で研究を行っている。 本年度はNGCの細胞外領域に対するポリクローナル抗体を初代培養神経細胞に作用させ細胞の形態変化を観察した。その結果、NGC特異抗体を処理することによって、神経細胞のアクチン繊維により形成されている樹状突起のフィロポデアが退縮することを見いだした。また、神経細胞の細胞体にNGC抗体陽性の小胞が認められた。神経系の株価細胞であるNeuro2aを用いてNGC抗体によるNGC分子の細胞内の取り込みを解析すると、NGC抗体陽性の小胞は抗EEA1抗体により染色されることから、初期エンドソームであることを見いだした。 以上の結果から、NGC抗体はNGCの細胞内への初期エンドソームへの小胞輸送を促進すると共に、神経細胞のフィロポディアの形態変化を引き起こすことが明らかになった。
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Research Products
(6 results)