2007 Fiscal Year Annual Research Report
インスリン様成長因子の遺伝的多様性から見た胎児発育とその後の成長予後
Project/Area Number |
17591137
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Research Institution | Asahikawa Medical College |
Principal Investigator |
長屋 建 Asahikawa Medical College, 医学部, 助教 (80396382)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
蒔田 芳男 旭川医科大学, 医学部, 教授 (20271778)
林 時仲 旭川医科大学, 医学部, 講師 (40322911)
藤枝 憲二 旭川医科大学, 医学部, 教授 (60173407)
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Keywords | 遺伝子 / 医療・福祉 / ゲノム / 子宮内発育不全 / 成長因子 |
Research Abstract |
子宮内胎児発育遅延(IUGR)は、出生時体重が小さいだけでなくその後の成長・知能障害、さらには成人期の高血圧や糖尿病などの罹患率が高いことが知られている。私たちは胎児および出生後の児の成長に強く関与しているIGF-1、IGF-2、及びそれらの受容体遺伝子のSNPsで構成されるハプロタイプと胎児発育と生後発育の関連を調べ、これらを規定している遺伝的条件を明らかにする事を目的に研究を行った。方法は在胎期間35週以上の新生児を対象に、臍帯血と母体血からDNAを抽出し、データベース(JSNP)から収集したIGF1、IGF2、IGF1R、IGF2R遺伝子に存在するそれぞれ3つのtag-SNPsを抽出しハプロタイプをそれぞれ決定し胎児胎盤発育との関係をハプロタイプ解析を用い解析し以下の結論を得た。尚、IGF2R遺伝子は連鎖不平衡が保たれておらずtag-SNPを同定することができなかった。1)IGF-1遺伝子のtag-SNPsで構成されるハプロタイプTGGは胎児発育促進に影響している可能性がある。2)IGF-2遺伝子のtag-SNPsで構成される父親由来アレルのハプロタイプCTGの児は胎児・胎盤発育に影響し、asymmetricalなIUGRを起こしている可能性がある。3)胎児胎盤発育に影響を与えていたIGF-2遺伝子の父親由来アレルのハプロタイプCTGは臍帯血中IGFs値には大きく影響はしておらず、また児のIGF2/H19のCTCF-6とH19-DMR領域におけるメチル化にも影響していなかった。従って、現時点では何故父親由来アレルのハプロタイプCTGは児が胎児胎盤発育を抑制するのかは証明できなかった。4)父親由来アレルのハプロタイプCTGは胎児胎盤発育に抑制的に働くが、1歳6ケ月の時点で身長、体重ともキャッチアップを認め、生後の成長には影響していないことが推測された。
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Research Products
(5 results)