2007 Fiscal Year Annual Research Report
胎児新生児期の内分泌攪乱物質暴露が生殖能及び中枢神経機能の発達に及ぼす影響の研究
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17591138
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
亀井 良政 The University of Tokyo, 医学部・附属病院, 講師 (00251265)
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Keywords | アポトーシス / オリゴデンドロサイト / 脳質周囲白質軟化証 / DNA microarray |
Research Abstract |
本研究は、エストロゲン作用を有する様々な内分泌撹乱物質に胎児期・新生児期の暴露がその後の中枢神経系の発達にいかなる影響をもたらすかについて、検討を加える目的で行うものである。 本年度は、中枢神経系の発達において神経細胞とともに重要な役割を果たしているグリア細胞について、新たな検討を行った。グリア細胞の中でも、とりわけオリゴデンドロサイト(OL)は、脳室周囲白質軟化症の発症に深く関与していることが知られている。すなわち、胎内での感染や脳虚血を契機にオリゴデンドロサイト前駆細胞が障害を受けるが、この過程でアポトーシスや細胞壊死のメカニズムが深く関与している。OLの細胞障害がエストロゲンあるいはエストロゲン作用を有する内分泌撹乱物質により変化を受けるか否かを検討するために、その前段階としてOL前駆細胞の細胞培養系を確立し、OLの至適培養条件を検討した。その結果、通常の培養条件に比べて、低温下での培養のほうが細胞増殖能が優れていることを明らかとした(論文投稿中)。さらに、この低温培養条件下でのOL増殖能の変化に、いかなる因子が関与しているかを、 DNA microarrayの手法を用いて検討し、cyclin D1, cyclin D2,などのcell cycleに関与する遺伝子の発現量に変化があること、また蛋白レベルではERK1/2のリン酸化が誘導されることも確認した。しかも、現在新たにこれまで細胞増殖とは直接的な関連が指摘されていなかったいくつかの膜蛋白の発現調節が起こっていることも明らかとなり、今後、これらの変化がエストロゲンや内分泌撹乱物質によりどのように変化するのか、興味が持たれる。
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Research Products
(8 results)