2006 Fiscal Year Annual Research Report
アポトーシス制御による新生児脳白質髄鞘化障害の予防・治療に関する研究
Project/Area Number |
17591140
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Research Institution | Kobe University |
Principal Investigator |
常石 秀市 神戸大学, 医学部附属病院, 助教授 (10271040)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
横山 直樹 神戸大学, 医学部附属病院, 講師 (20314487)
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Keywords | myelination / MBP / PLP / ADEM / MRS / 白質障害 |
Research Abstract |
小児の神経疾患において、脳白質障害を病因とするものについて、原因遺伝子検索、頭部MRI画像の詳細な検討、magnetic resonance spectroscopy (MRS)解析等を実施した。 10歳男児の広汎な急性散在性脳脊髄炎(ADEM)症例では、白質異常シグナル部位の深部白質のMRSを急性期と回復期において検討した結果、T2強調像ならびにFLAIR像における著明な異常信号にもかかわらず、エネルギー代謝状態を反映するMRS解析に明らかな差異を見出せなかった。臨床症状は軽微であり、機能的所見とMRS結果はよく一致していた。 24歳女性の散在性白質形成障害例では、G-banding染色体検査にて18q一が判明しており、ここにlocusのあるMBP遺伝子の欠失の有無をMBP FISH法にて証明した。さらに、CGH法にて詳細な欠失部位を18q22.3〜terと解析できた。18番染色体異常症における脳白質障害の原因としてMBP遺伝子の欠失を強く示唆するものである。 1歳男児のPelizaeus-Merzbacher病症例では、頭部MRIにて重度の白質形成遅延、聴性脳幹反応にてIII波以降の消失を認め臨床的診断がなされたが、そのPLP1遺伝子解析よりPLP遺伝子重複を確認した。 これら脳白質の髄鞘化障害の疾患における髄鞘構成蛋白(MBPおよびPLP)の遺伝子異常の証明により、病態がより理解し易いものとなった。また、頭部MRI画像にて異常信号を呈する炎症性神経疾患においても、エネルギー代謝状態を反映するMRSは正常であり、より脳機能状態を反映することが判明した。
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Research Products
(2 results)