2007 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
17591160
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
佐伯 秀久 The University of Tokyo, 医学部・附属病院, 講師 (80235093)
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Keywords | ケモカイン / 過剰発現マウス / TARC(CCL17) / CTACK(CCL27) / 接触過敏反応 / アトピー性皮膚炎 / NGF(nerve growth factor) / Substans P |
Research Abstract |
表皮特異的ケモカイン過剰発現マウス(Tgマウス)に関しては、2種類のマウス、すなわちTARC(CCL17)TgマウスとCTACK(CCL27)Tgマウスの作成を終えている。また、どちらのマウスにおいても、(1)導入遺伝子が蛋白レベルで機能していることの確認(2)マウスの基本的な形質の解析と(3)マウスの接触過敏反応(CHS)に対する基本的な解析を終えており、どちらのマウスでもTh2型のCHSが増強していた。そこで本年度は、各々のマウスについて更に詳細な解析を追加して行った。 TARC Tgマウスにおいては、アトピー性皮膚炎(AD)の病態への関与が指摘されている神経ペプチドであるNGF(nerve growth factor)やSubstans P(SP)の血清中濃度を調べたところ、TgマウスではNon-Tgマウスに比べて血清中のNGFやSPは有意に上昇していることが示された。今までにも、TARC Tgマウスでは炎症惹起部位での肥満細胞数の増加や、血清IgE値の上層などADに似た病態が示されていたが、今回のデータもTARC TgマウスがADなどの掻痒を伴うTh2型皮膚炎のよいモデルマウスになることを示唆していると考えられた。 CTACK Tgマウスでは、FITCによる繰返し惹起のCHS(Th2型のCHS)において耳介腫脹が増強することが示されていたが、今回は炎症惹起部位におけるCCR10(CTACKの受容体)陽性細胞のみならず、CCR4陽性細胞(Th2細胞)数についても検討したところ、TgマウスではNon-Tgマウスに比べて、CCR10陽性細胞、CCR4陽性細胞ともに有意に増加していた。したがって、CTACKは炎症部位にCCR10陽性・CCR4陽性細胞を引き寄せることにより、ADのようなTh2型の皮膚炎の病態に関与している可能性が示唆された。
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Research Products
(3 results)