2006 Fiscal Year Annual Research Report
強皮症硬化機序の解析とHGF遺伝子プラスミドを用いた遺伝子療法の開発
Project/Area Number |
17591162
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Research Institution | Tokyo Medical and Dental University |
Principal Investigator |
西岡 清 東京医科歯科大学, 大学院医歯学総合研究科, 名誉教授 (20077647)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
横関 博雄 東京医科歯科大学, 大学院医歯学総合研究科, 教授 (90210608)
山本 俊幸 東京医科大学, 医学部, 助教授 (30242192)
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Keywords | 強皮症 / HGF / TGF-β / 遺伝子療法 / モデルマウス / 膠原病 / 肺線維症 |
Research Abstract |
Naked HGFプラスミド投与による皮膚硬化抑制の解析 HGF遺伝子プラスミドをHVJ-liposomeを用いて強皮症モデルマウスに有効であることを報告した。しかし実際にヒトに投与するときにはHVJ-liposomeなどのベクターは使用できない。そこで今回、naked HGFが強皮症モデルマウスで有効か検討した。ブレオマイシン(BLM)をC3Hマウスに4週間、連日皮下注射し硬化を誘導した。その後、ヒトHGF cDNA (2.2Kb)をVector plasmidに挿入したnaked DNAを10mcg/mouse筋肉内に2週間ごとに2回投与しPBSを筋肉内に投与した群と4週間後に比較検討した。BLM最終投与4週間後に、背部皮膚を切除し組織学的に検討した。一部の実験ではホルマリン固定した組織標本において、H&E染色以外にトルイジンブルー、ギムザ、コンゴレッド染色を各々施行し、硬化病変部における皮膚の厚さと結合織の変化を比較検討したところHGFのnaked plasmid投与群では明らかに真皮の厚さが減少していた。また、皮膚ハイドロキシプロリン量をWoessnerの方法を用いて測定して比較検討したがnaked HGF plasmid投与群では明らかに低下していた。さらに、human HGFがmRNA、蛋白レベルで発現しているかを明らかにするため皮膚、肺、筋肉、腎臓などの臓器の抽出液および血清よりRT-PCR法、ELISA法を用いて測定した。その結果liposomeで導入した群に比べHGF量は低下するもnaked plasmid投与群でもhuman HGFは定量できた。HGFの発現分布を検討するため、抗ヒトHGF抗体を用いて免疫組織化学的に検討したがnaked HGF plasmid投与群では真皮全体にHGFの発現が認められた。さらに、皮膚におけるTGF-β1の発現レベルを測定するためELISA, RT-PCR法を用いてmRNA、蛋白レベルで定量し比較検討したところnaked HGF plasmid投与群ではTGF-β1の発現レベルが抑制されていた以上のことよりnaked HGF plasmid投与によっても皮膚効果を改善することが明らかになった。この結果よりヒトヘのHGF-plasmid療法の可能性が示唆された。
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