2006 Fiscal Year Annual Research Report
色素性乾皮症の新規相補性群の原因遺伝子同定とその解析
Project/Area Number |
17591167
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Research Institution | Osaka Medical College |
Principal Investigator |
森脇 真一 大阪医科大学, 医学部, 助教授 (40303565)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
蓑島 伸生 浜松医科大学, 光量子医学研究センター, 教授 (90181966)
椙村 春彦 浜松医科大学, 医学部, 教授 (00196742)
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Keywords | 色素性患皮症 / DNA修復 / 紫外線 / 相補性群 |
Research Abstract |
色素性乾皮症は紫外線性DNA損傷の修復異常で発症する遺伝性光線過敏症で、現在、遺伝的に異なるA〜G群、バリアントの計8種類が知られている。研究代表者の施設で見出した、臨床的・細胞学的に既知のグループに属さないと思われる患者由来の細胞を用いて、色素性乾皮症の発症に関与すると想定される新規遺伝子の同定を種々のストラテジーで試みている。 1)DNAマイクロアレイ法による解析 患者由来細胞、年齢を患者とマッチさせた健常人由来細胞から抽出したRNAを用いて、DNAマイクロアレイ法により、患者細胞、正常細胞の間での遺伝子発現パターンの違いを網羅的に比較した。その検索を2種類の患者細胞で行った結果、各々の細胞で患者細胞のみで発現が低下している10〜20数種類の遺伝子が確認されたが、2種類の細胞間で共通している遺伝子は存在しなかった。 2)新規相補性群と思われる患者の臨床的特徴は色素性乾皮症C群にきわめて類似しているため、XPCとコンプレックスを形成して作用する因子の異常ではないかという仮説のもと、骨格内にflagを含み、XPCとコンプレックスを形成してヌクレオチド除去修復の一役を担っているcent2,hHR23B遺伝子を発現するベクターを作成した。両ベクターともにflagに対する抗体を使用して、各々cent2,hHR23B遺伝子を発現していることを複数の健常人皮膚由来線維芽細胞で確認した。その後、新規XP群と思われる4症例の細胞に同ベクターを導入して、低下しているDNA修復能の回復を紫外線照射ルシフェラーゼ遺伝子の宿主細胞回復能を指標に観察したが、cent2,hHR23Bいずれの遺伝子を導入・発現させても修復能の増加は認められなかった。 3)XP軽症型であるXPE群遺伝子のシークエンスを今回の解析対象である全症例(4例)で施行したが、変異は見いだせなかった。 4)1)、2) 3)のストラテジーでは新規遺伝子同定が困難と思われたため、現在、患者由来リンパ芽球様細胞とマウスB細胞を使用した体細胞ハイブリッド法による解析を進めている。
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