2006 Fiscal Year Annual Research Report
アトピー性皮膚炎における自己免疫寛容の破綻に関する研究
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17591172
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Research Institution | HIROSHIMA UNIVERSITY |
Principal Investigator |
田中 稔彦 広島大学, 病院, 講師 (80263705)
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Keywords | アトピー性皮膚炎 / IgE / 汗 / I型アレルギー / Th2サイトカイン / インターロイキン-4 / インターフェロン-γ |
Research Abstract |
アトピー性皮膚炎患者の約8割は汗によってI型アレルギー反応を呈する。それは自己の汗による皮内テストで陽性を示すこと、末梢血好塩基球が汗に反応してヒスタミンを遊離することなどで確認できる。それらの反応は健常人にはほとんど見られず、アトピー性皮膚炎患者に特異的である。アトピー性皮膚炎患者が汗に対して即時型反応を示すことは、患者が汗に感作されて汗に対する抗原特異的IgEを産生していることを示しているが、リンパ球の反応性については明らかとなっていない。 昨年までの研究で末梢血単核球に対して抗CD3抗体、ダニ抗原、精製汗抗原を反応させると、アトピー性皮膚炎患者群ではTh2サイトカインの一つであるIL-4を産生し、健常人群ではIL-4の産生は見られないことが明らかとなっていた。また、末梢血単核球からautoMACSを用いてまずネガティブセレクションでCD4^+細胞を回収し、さらにautoMACSでCD25のポジティブセレクションによってCD4^+CD25^-細胞とCD4^+CD25^+細胞を分画採取する。それらとは別に末梢血単核球をマイトマイシン処理し、CD4^+細胞と共生培養し、精製汗抗原の他、陽性コントロールとしての抗CD-3抗体、あるいはダニ抗原を加えて細胞増殖反応、およびIFNγ、IL-4の産生能をELISA法で測定した。CD4^+CD25^-細胞画分での各因子による細胞増殖反応とサイトカイン産生能を、抑制性T細胞としてのCD4^+CD25^+細胞画分を添加した場合と比較する。本年度までに健常人8名、アトピー性皮膚炎患者12名まで被験者を増やして測定した。その結果アトピー性皮膚炎群ではCD4陽性CD25陰性の細胞は抗CD3抗体、ダニ抗原、精製汗抗原刺激でIL-4の産生し、IFNγは産生しなかった。健常人群では抗CD3抗体、ダニ抗原、精製汗抗原でIL-4の産生は見られず、1名のみでIFNγの産生の高値が確認された。
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Research Products
(4 results)