2005 Fiscal Year Annual Research Report
表皮角化細胞の細胞周期制御機構の異常とその臨床応用
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17591173
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Research Institution | The University of Tokushima |
Principal Investigator |
久保 宜明 徳島大学, 大学院・ヘルスバイオサイエンス研究部, 講師 (10260069)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
大谷 直子 徳島大学, ゲノム機能研究センター, 助教授 (50275195)
村尾 和俊 徳島大学, 大学院・ヘルスバイオサイエンス研究部, 助手 (40363171)
飛田 泰斗史 徳島大学, 医学部・歯学部附属病院, 助手 (90380039)
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Keywords | 有棘細胞癌 / 基底細胞癌 / ボーエン病 / 脂漏性角化症 / 細胞周期関連遺伝子 / SIRT1 / p27 |
Research Abstract |
表皮角化細胞の細胞周期制御機構の異常を探るため、表皮角化細胞由来の皮膚腫瘍である、有棘細胞癌(SCC)、基底細胞癌(BCC)、ボーエン病(BD)、脂漏性角化症(SK)の皮膚腫瘍において、細胞周期関連遺伝子の発現を検討した。細胞周期関連遺伝子として、p14、p16、p21、p27、SIRT1の5つの遺伝子を選択した。前4者の遺伝子産物は、in vitroではストレスにより誘導され、細胞周期を負に制御する。SIRT1は、寿命延長作用の知られている酵母Sir2の哺乳類におけるホモログで、細胞周期に関与する脱アセチル化酵素である。 SCC、BCC、BD、SK、正常表皮の各6例、計30例よりRNAを抽出し、細胞周期関連遺伝子の発現を半定量的RT-PCR法にて検討した。SCC、BCC、BDにおいて症例間で共通する遺伝子の発現様式を見出すことはできなかったが、SKにおいてはすべて症例でSIRT1が高発現していた。また、SIRT1によって誘導されうるp27も、SIRT1と同様にすべてのSKで高発現していた。次に、SIRT1とp27蛋白の発現を調べるため、SKと正常皮膚各20例において免疫組織学的検索を行った。RT-PCR法の結果と同様、正常表皮と比較してSKではSIRT1とP27陽性細胞が増加していた。また、両方法に共通して表皮肥厚の程度が軽いSKほどSIRT1とp27の発現が強い傾向がみられた。以上より、SK発症の初期過程にSIRT1とp27の高発現し、表皮角化細胞の細胞周期を負に制御している可能性が示唆された。
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