2006 Fiscal Year Annual Research Report
表皮角化細胞の細胞周期制御機構の異常とその臨床応用
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17591173
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Research Institution | The University of Tokushima |
Principal Investigator |
久保 宜明 徳島大学, 大学院ヘルスバイオサイエンス研究部, 助教授 (10260069)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
大谷 直子 徳島大学, ゲノム機能研究センター, 助教授 (50275195)
飛田 泰斗史 徳島大学, 医学部・歯学部附属病院, 助手 (90380039)
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Keywords | 有棘細胞癌 / 基底細胞癌 / ボーエン病 / 日光角化症 / 細胞周期関連遺伝子 / SIRT1 / 免疫染色 |
Research Abstract |
表皮角化細胞の細胞周期制御機構の異常を探るため、表皮角化細胞由来の皮膚腫瘍である、有棘細胞癌(SCC)、基底細胞癌(BCC)、ボーエン病(BD)、日光角化症(AK)において、細胞周期関連遺伝子SIRT1の発現を免疫組織学検索にて検討した。SIRT1は、寿命延長作用の知られている酵母Sir2の哺乳類におけるホモログで、細胞周期に関与する脱アセチル化酵素である。 SCC、 BCC、 BD、 AK、正常表皮の各20例、エクリン汗孔腫4例、ケラトアカントーマ3例の合計87例の皮膚腫瘍のパラフィン包埋切片を用い、SIRT1蛋白の発現を免疫組織学検索にて検討した。正常表皮や皮膚良性腫瘍と比較して、SCC、 BCC、 BD、 AKの各腫瘍では高頻度にSIRT1を強発現していた。特にBD20例全例でSIRT1を強発現していた。BCCでは、病変の周辺部で強発現している傾向があった。また、SCCとAKでは、SIRT1の強発現の頻度はほぼ同様でありSIRT1の強発現は、皮膚発癌の初期に生じていることが示唆された。 昨年度の解析において、皮膚良性腫瘍である脂漏性角化症の発症の初期過程でSIRT1が高発現している可能性を示したが、基本的には皮膚悪性腫瘍では高頻度にSIRT1が強発現しており、その強発現は皮膚発癌過程に一役を担っている可能性が考えられた。
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Research Products
(1 results)