2006 Fiscal Year Annual Research Report
線維性皮膚疾患におけるI型コラーゲン遺伝子転写調節機構の解析
Project/Area Number |
17591183
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Research Institution | Dokkyo Medical University |
Principal Investigator |
籏持 淳 獨協医科大学, 医学部, 教授 (90172923)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
沖田 博 獨協医科大学, 医学部, 講師 (20360076)
山崎 雙次 獨協医科大学, 医学部, 教授 (80008333)
安田 真一 獨協医科大学, 医学部, 助手 (60133279)
川村 由美 獨協医科大学, 医学部, 助手 (50337383)
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Keywords | I型コラーゲン / 遺伝子発現 / エリスロマイシン誘導体 / EM703 / 強皮症 |
Research Abstract |
線維化に対する良い治療法は未だほとんど知られていない。強皮症線維芽細胞ではI型コラーゲンの産生が転写レベルで上昇しており、それにより真皮に線維化をきたす。今回我々はエリスロマイシン誘導体EM703に線維芽細胞のI型コラーゲン産生を転写レベルで抑制する効果のあることを見いだし、さらに強皮症線維芽細胞に対する抑制効果を明らかにした。方法:初代培養にて得た線維芽細胞に10^<-7>M〜10^<-5>Mの薬剤を加え、48時間培養、培養上清のコラーゲン量はヒトI型コラーゲン抗体を用いたELISA法で、I型コラーゲンmRNAはTotal RNAをグアニジン法変法にて抽出、ノーザンブロットで測定した。転写活性はCOL1A1上流・ルシフエラーゼ遺伝子を用いたルシフエラーゼアッセイにより測定した。I型コラーゲン転写因子CBFのα1(I)コラーゲンプロモーターへの結合活性を核蛋白を抽出しGel retardation assayにて検討した。結果:EM703はI型コラーゲンの産生を約40%に、α1(I)コラーゲンmRNAレベルを約30%まで濃度依存性に抑制した。この効果は9株の強皮症線維芽細胞においても同様に認められ、ルシフエラーゼアッセイではEM703(10^<-5>M)の添加によりα1(I)コラーゲンの転写活性は約30%にまで抑制された。これは上流遺伝子を下流へ徐々にdeleteしても見られ,わずか-133baseにまでdeleteしても見られた.一方,-100のCCAAT-boxをGCAAGに置換変異すると約90%に抑制されたのみであった.しかしEM703添加で核のCBFの結合活性の低下はなかった.同剤は強皮症FBに対してもI型collagenの発現を抑制した.EM703は正常および強皮症FBのI型collageの転写を抑制し,それは主にCBFの結合活性の低下なしにCCAAT-boxを介してなされると示唆される.
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Research Products
(1 results)