2006 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
17591184
|
Research Institution | Kyorin University |
Principal Investigator |
水川 良子 杏林大学, 医学部, 助手 (50301479)
|
Keywords | 即時型反応 / IgE / TLR / 肥満細胞 |
Research Abstract |
我々は前回、ハブテン塗布によってみられる即時型反応(immediate-type hypersensitivity response : ITR)には、従来からのIgE/FcεRIを介したITRと、IgE非依存性のITRとが認められることを明らかにした。さらに、このIgE非依存性のITRはIgEによって抑制される可能性が示唆されている。そこで今回は、IgE非依存性のITRがどの様なpathwayを介しているかを明らかにする事を目的とし検討を行った。 1,足蹠で見られるIgE非依存性のITRに肥満細胞が関与しているか否かを検討した。肥満細胞を欠損するW/W^vマウス足蹠にwild typeマウス骨髄細胞から得られた肥満細胞(BMMC)を移入し、ハプテン塗布を行った。W/Wvマウスでは見られなかった足蹠のITRは、BMMC移入マウスではWTマウスと同様に回復した。これらの結果から足蹠へのハプテン塗布で認められるIgE非依存性のITRには肥満細胞が関与していることが明らかになった。 2,肥満細胞の活性化の機序としてToll-like receptor (TLR)を介した系が注目されている。そこで、TLR2-/-、TLR4-/-マウスの足蹠にハプテンを塗布し、ITRを検討した。TLR2-/-マウスではWT、TLR4-/-マウスに比べITRは著明に減少し、IgE非依存性のITRがTLR2を介した反応である可能性が示唆された。 3,TLR2-/-マウスBMMCをW/Wvマウス足蹠に移入しハプテン塗布を施行した。WTマウスBMMC移入マウスに比べ、TLR2-/-BMMC移入マウスではITRが有意に減少し、足蹠で見られるITRはTLR2を介した肥満細胞の活性化による反応であることが明かになった。 4,IgE/FcεRI・TLR2の相互関係を検討するため、IgEで前処理した肥満細胞をW/Wvマウス足蹠に移入し、ハプテン塗布を行った。IgE前処理BMMC移入マウスではITRの抑制が確認され、TLR2を介した肥満細胞の活性化がIgEにより抑制されることを証明した。 以上より、IgE非依存性のITRはTLR2を介した肥満細胞の活性化によって生ずる自然免疫としての反応であり、IgEにはこれらの反応を抑制する機能があることを明らかにした。
|
Research Products
(2 results)