2006 Fiscal Year Annual Research Report
DNAチップで同定した悪性黒色腫高発現分子のRNA干渉による病態解析と臨床応用
Project/Area Number |
17591185
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Research Institution | KEIO UNIVERSITY |
Principal Investigator |
松崎 ゆり子 慶應義塾大学, 医学部, 助手 (40255435)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
河上 裕 慶應義塾大学, 医学部, 教授 (50161287)
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Keywords | RNA干渉 / 悪性黒色腫 / 癌高発現遺伝子 / FABP7 / MMA1 |
Research Abstract |
昨年度に引続き、DNAチップで同定した悪性黒色腫で高発現する分子EABP7、MMA1、KU-MEL-3の機能解析を行った。RT-PCRおよび定量PCRでmRNA発現を解析したところ、FABP7、KU-MEL-3、MMA1は悪性黒色腫組織および細胞株において、高発現しており、RNAレベルでの発現特異性が確認された。その後、二重鎖オリゴヌクレオチドRNAを用いたRNA干渉法で標的遺伝子の発現抑制を行うとともに、FABP7、MMA1については発現ベクターに挿入した組換えプラスミドを導入して強制発現実験を行い、癌形成に関わる基本形質についてのこれらの遺伝子の影響を検討した。その結果、FABP7遺伝子発現を抑制した悪性黒色腫細胞株では、細胞増殖能、遊走能が低下し、強制発現により、細胞増殖能、遊走能が亢進した。MMA1遺伝子発現を抑制した悪性黒色腫細胞株では、細胞増殖能、細胞接着能が低下し、強制発現により細胞増殖能、接着能が亢進した。KU-MEL-3の発現抑制では抑制効果が低く、そのためか細胞増殖能には変化がみられなかった。また、我々の作製したFABP7に対するウサギポリクローナル抗体は悪性黒色腫組織15検体中11検体を染色することができ、診断マーカーとして有用なことが示された。さらに、FABP7のファージ組換えタンパク、大腸菌組換えタンパクを認識する抗体が高頻度に悪性黒色腫患者血清中に検出されたことから、FABP7が免疫系に認識される免疫治療の標的として応用できる可能性も考えられる。本研究で、以上にあげた悪性黒色腫高発現遺伝子の病態解析を行った結果、FABP7、MMA1の病態への関与が明らかになり、今後の治療応用への基盤とすることができた。
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Research Products
(2 results)