2005 Fiscal Year Annual Research Report
統合失調症様症状発現薬で誘導される発達依的遺伝子の変異解析と精神疾患への応用
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17591197
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Research Institution | Tokyo Medical and Dental University |
Principal Investigator |
石井 澄和 東京医科歯科大学, 医学部, 教務職員 (20106660)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
柏 淳 東京医科歯科大学, 大学院・医歯学総合研究科, 助手 (10301227)
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Keywords | 脳神経疾患 / ゲノム / 統合失調症 / メタンフェタミン / 連鎖不平衡 |
Research Abstract |
統合失調症は思春期以前に発症することは稀である。また統合失調症のモデルと考えられるメタンフェタミン逆耐性現象も幼若期の動物では形成されない。これらの事実より我々はこれまで統合失調症関連遺伝子としてメタンフェタミンに対する応答が発達段階に依存して異なるラット遺伝子mrt-1(methamphetamine responsive transcript 1)をクローニングし、その解析を進めてきた。今回はmrt-1のヒト相同遺伝子であるMRT-1のプロモーター部分の変異遺伝子の検索を96人について予備的に行った。ゲノムDNAを鋳型としてPCRを行い、そのPCR産物を鋳型としてシークエンスを行った。その結果MRT-1のプロモーター部分には欠失部分2カ所を含む38カ所の変異候補が検出された。数検体以上で変異を検出された部位の内欠失部分を含む6カ所について、統合失調症患者255名、感情障害患者226名、健常人285名のSnuPe(Single Nucleotide Primer extension)解析によるタイピング、もしくはDirect Sequenceによって得られた波形からpolyPhredによるタイピングを行った。またハーディ・ワインベルグ平衡の検定(Hardy-Weinberg Equilibrium)、連鎖不平衡の解析(Linkage Disequilibrium Analysis)、相の推定(Phase Estimation)を行ったが健常人との差異は見いだされなかった。今後他の発達段階に依存している遺伝子の解析を行うとともに精神疾患患者本人及びその両親に血液サンプルの提供を依頼しTDT(transmission disequilibrium tes)による検討を行う予定である。
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