2006 Fiscal Year Annual Research Report
統合失調症様症状発現薬で誘導される発達依的遺伝子の変異解析と精神疾患への応用
Project/Area Number |
17591197
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Research Institution | Tokyo Medical and Dental Unversity |
Principal Investigator |
石井 澄和 東京医科歯科大学, 医学部, 教務職員 (20106660)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
柏 淳 東京医科歯科大学, 医学部附属病院, 講師 (10301227)
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Keywords | 脳神経疾患 / ゲノム / 統合失調症 / フェンサイクリジン / 一塩基多型 |
Research Abstract |
統合失調症は思春期以降に発症する。また、薬物による統合失調症様の異常も児童期までは生じ難いことが知られている。さらに、強力なNMDA型グルタミン酸受容体遮断薬で統合失調症様異常を引き起こすフェンサイクリジン(phencyclidine:PCP)を投与した成熟ラットに見られる異常行動は、統合失調症の研究モデルと考えられているが、幼若期にPCPが惹起する行動変化とは明らかに異なる。これらの事実より、統合失調症で障害される分子カスケードは一定の発達段階以降に完成すると推測される。そこで、これまで統合失調症関連候補遺伝子としてPCPに対する応答が発達段階に依存して異なるラット遺伝子prt-1(phencyclidine-responsive transcript 1)をクローニングし、その解析を進めてきた。今年度はprt-1のヒト相同遺伝子であるPRT-1の一塩基多型(single nucleotide polymorphism:SNP)と統合失調症との関連を検討した。データベース(NCBIおよびInternataional HapMap Project)を利用して、PRT-1遺伝子とその上流3kbを含む領域で既に日本人における頻度の報告されているSNPの中から20のSNPを選択し、統合失調症患者229名、健常人214名についてInvader法によりタイピングし患者・対照研究を行った。結果、複数のSNPでその対立遺伝子頻度および遺伝子型頻度において、健常対照群との有意差を認めた。またハプロタイプ解析においても複数の組み合わせにおいて有意差が認められた。選択した全てのSNPは強い連鎖不平衡の関係にあった。
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